「好きと欲しいをつくる」、Instagramではじめるブランド成長と顧客獲得を徹底解説。

 

成功事例からInstagram活用を紐解く

 一方で宇津井氏は、これまでの経験から「ブランド広告は効果が見えにくく、成果につながるまで時間がかかる」と捉えてしまうことは理解できるという。そうした効果が見えにくいと思われてしまう点について、最近では成功事例が出てきていると紹介した。

 ①コミックシーモア（NTTソルマーレ）

 獲得用の広告予算の15%程度をブランド広告として追加したキャンペーンと、獲得広告を単独で実施したキャンパーンを比較。ブランド広告を追加した方が、2.4倍会員登録が増え、獲得単価が約半分になった。担当者からも「ブランド広告が獲得に寄与することが可視化できて、積極配信ができるようになった」と評価された。
 
 ②不動産住宅情報サービスLIFULL

 認知獲得を目的とした動画のブランド広告を獲得キャンペーンに組み合わせて配信することで、ブランド想起や広告想起の向上につながった上に、コンバージョンやコンテンツ閲覧数への貢献度も高かった。このように調査を重ねてブランド広告の効果を可視化していくほど、獲得への効果が見えてくる。ブランド広告を展開するほどブランド力は高まり、その都度、獲得数の土台を押し上げてくれるのだ。
 
 事例から証明されているのは、実行すればするほど効果が増していくことだ。ブランド広告の実施期間について、26週以上実施した時とそうでない時ではROIが1.3倍も変わってくるという調査結果もあるほどだ。
 
 Instagramでブランド広告を8カ月以上と長期にわたって続けている、日本ロレアルの「MAYBELLINE（メイベリン）」は、そのROIが他のメディアよりも3倍、他のデジタルメディアよりも3.6倍ROIが高いことが確認できたと報告している。そうした結果から、「獲得効果が何をしても上がらない」と感じたときは、ブランド広告を推奨しているという。