マーケティングアジェンダ2021外伝 #02

アントラーズ小泉氏、オルビス小林氏によるキーノート「テクノロジーの歴史から人の求めるモノはどう変化を遂げたのか?」【マーケティングアジェンダ2021レポート外伝_第2回】

 

デジタルでもリアルでも、対立構造ではなく続いている

 また、小泉氏、小林氏両名からNext GENERATIONとしてはどう変化していくのか?という話がありました。

 <ポイント>
 ・Facebookなどメタバース(バーチャル空間)に注力
 ・人間の多面性を表現する場
 ・リアルな生活にも大きな変化が起こっている

 小泉 デジタルなものへの価値がどんどん増大している。「デジタルの場の自分と、リアルの場の自分が違うという」のは一昔前の考え。デジタルの場での自分の表現、リアルの中の自分の表現が両方同じくらい大事になっている。

 小林 コスメはコロナで減益した。しかし、今だからこそ、これからは購入回数ではなく、お客さま自らがアクションしていく回数を増やしていくことが大事。ブランドが触れるフリクエンシーを増やせば、結果的にLTVが増える。つまり、ブランド体験をバーチャルで増やせば、リアルでのマネタイズにも繋がる。むしろ、収益性が高まる機会すらある。

 この考え方のシフトは、個人的にももっとしっかり意識しないといけないなと思いました。

 

なぜスポーツビジネスに参入したのか?

 続いて、小泉氏がスポーツビジネスに参入した理由が語られました。この内容は何もスポーツビジネスだけに止まらない、エンターテイメントという人間理解の本質が詰まっています。

小泉 参入した理由は、大きく分けて二つある。ひとつは、明るい未来の裏側にある不都合さに向き合えるということ。2つ目は、ヒューマンセントリックな街づくり。エンターテインメントは、心の部分に向き合える。テクノロジーを使えば、エンターテインメントをリッチにし、余暇時間をハッピーなものにできる。そして、それによって人々の生活を豊かにする必要がある。そして、スポーツビジネスは、自分でプロになる才能がなくても応援という形で参加できる。

 さらに、次のように重ねて語ります。

小泉 スポーツビジネスを通じて、新たなプラットフォームの創造と循環型社会の実現に向けた社会実験を目指している。今までは人々が街に合わせなければいけなかったが、一人ひとりの行動を元にした街づくりに挑戦したい。そのためには、抜本的に変えるスマートシティではなく一つ一つ課題を解決していくことが必要になる。

 

実際に鹿島アントラーズでやっていること

 具体的に実施していることとしては、おおおよ1週間に1回行われるJリーグの試合には2、3万人が来るため、そこを実験場とし、「多くのステークホルダーのハブになること」「街の課題を外部の力で解決」という目標を掲げています。さらに具体的に言うと、以下の2つを実施しています。

 1.スタジアム×課題解決、ラボ化、SDGsスタジアム構想
 2.教育、交通、物流、医療、農業などへの関与


 パートナー企業の技術を使ったラボとして、企業課題と社会課題の解決にも挑戦しています。例えば、NTTドコモさんとは5Gの実験、NECさんは生体認証・決済の実験、そしてカネカさんとはカトラリー・椅子などの設備を植物由来の素材に変え、SDGsスタジアムを実現しようとしています。

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