SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021

車を持つことで新しいライフスタイルをデザインする「未来アイデア会議」【SIWレポート】

 「アイデアと触れ合う、渋谷の10日間」をテーマに、都市型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021」が11月5日~14日で開催された。11月9日には「未来アイデア会議」第一弾が開かれ、シェアリングエコノミー 協会事務局長の石山アンジュ氏、プロスケートボーダーの白井空良氏、コールマン代表取締役社長の中里豊氏、ビー・エム・ダブリュー(以下BMW)BMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤克之輔氏が登壇。

 長期化するリモートワークをきっかけに新しいライフスタイルをデザインする人が増えているいま、転換期を迎える自動車業界は何ができるのか。そのアイデアについて4人のクロストークをレポートする。
 

車はどういう存在か? その答えが変わりつつある

 「未来アイデア会議」は、BMWと渋谷未来デザインがタッグを組み、BMWの電気自動車「BMW  iX」、「BMW iX3」を活用して社会課題を解決しようと立ち上げたもので、電気自動車は多様なライフスタイルの中でどのような共生ができるのか、今後1年間かけて考えていくという。

 そのキックオフとして開かれた今回のセッションで遠藤氏は、「BMW iXとBMW iX3を通して、人々のライフスタイルを手助けしたい、変えていきたいという気持ちがあります」と宣言。セッション前半は、「車はどういう存在か?」をテーマに議論した。

 石山氏は、「東京にいるときは、車はいらないと思っていましたが、地方に住むようになってから必要不可欠なインフラだと確信しました」と話した。

          
石山アンジュ
社会活動家、シェアリングエコノミー 協会事務局長

1989年生。シェアリングエコノミーの普及に従事。シェアの思想を通じた新しいライフスタイルを提案する活動を行うほか、一般社団法人シェアリングエコノミー協会常任理事(事務局長兼務)、厚生労働省・経済産業省・総務省などの政府委員も多数務める。また2018年ミレニアル世代のシンクタンク一般社団法人Public Meets Innovationを設立、代表に就任。ほかテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」レギュラー出演や、新しい家族の形「拡張家族」を広げるなど幅広く活動。著書「シェアライフ-新しい社会の新しい生き方(クロスメディア・パブリッシング)」
        
 「世の中がどうなるか分からない不安がある今、車を買わない人は一定数いますが、個人間のカーシェアリングや、半分所有しているような感覚で気軽に使えるモビリティという選択肢は、シェアリングエコノミーによってどんどん増えていき、車を利用する機会もどんどん広がる。また、若者の車離れについてもカーシェアリングの普及によってタッチングポイントが増え、車の購入に繋がる傾向もある」と、石山氏は続けて指摘した。

 中里氏は、「仕事上、車で移動することが多いので車なしの生活は考えられない。小さな自分の部屋で移動するという感覚なので、いつでも横にラップトップを置くなど、車の中のレイアウトも全部決めている。足りないものがあると家に取りに戻るぐらいなので、私の場合は少し車に依存しすぎているかもしれません」と語った。
                  
中里豊
コールマン ジャパン代表取締役社長

1972年生まれ、東京都出身、サンダーバード国際経営大学院 ブランドマネジメント専攻。 1996年から2001年まで丸紅で資源ビジネスに携わった後、放浪の旅に出る。  その後2003年に日本ロレアル(株)へ入社し、ロレアル パリ事業部長、ケラスターゼ事業部長などの要職を歴任。 2015年にコールマン ジャパンの代表取締役社長に就任、以来現職
 
 続けて、カーシェアリングについては、「お金をシェアできるだけでなく、思い出や記憶をシェアできるメリットがあるのではないか」と話した。

 昨年、初めて車を買ったという白井氏は、「ようやく運転に慣れてきて、いまでは車がない生活は考えられない。コロナ禍で電車に乗るのが怖かったので、車で移動できたのは助かった」と語り、さらに「東京オリンピック前の練習に向かう車のなかでは、好きなジャパニーズラップを聞いてテンションを上げていました。その時間があってこそ、きつい練習を乗り越えられた」と振り返った。
          
白井空良
東京2020大会代表 プロスケートボーダー

2019年世界最高峰のスケートボード世界大会で優勝し、メキメキと頭角を表してきている今注目のスケートボーダー。 2020年に神奈川県の寒川町に自身がプロデュース、設計した国内最高の環境であるスケートパークを作り、そこに拠点を置いて活動している。 現在2024年のパリ五輪を目標とし、技を磨いている。

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