リテールアジェンダ2021レポート #02

「本気で日本一のコンビニを目指す社員」が現れはじめた、ファミマ改革の裏側

 

社内で活気ある雰囲気、連携をとるコツ

高広 どうしたらお客さまにもっと売れるだろうという、マーケティング・マインドや妄想ができる人を増やすということですか。

足立 答えとしては、イエスです。商品部というのは商品をつくり、販促部(マーケティング部)へバトンタッチしていたのですが、いまは商品部のメンバーがこの商品はどうやって売り出そう、Twitterにどういった投稿をしようとか考え始めたのです。

高広 他の人との役割を分けて考えていたわけですか。

足立 商品を「つくる人」と「売る人」は、分断してはいけないと思っています。なぜかというと、商品を売る人自身がどうやって売るかを考えながらつくらなければ、まったく売れない商品ができるからです。

高広 マーケティングの4Pには、「プロダクト」が存在しますからね。

足立 だからこそ分業ではなく、販促を担当している人はもっとこういう商品をつくればいいと意見を出す。商品担当は、こういう販促すればいいのにとアイデアを出す。最初から「答え」を考えながらしていく。そうすることで、いろいろと早く成功まで進むんですよ。

高広 ファミマでマーケティングに携わっている人は、何人ぐらいいますか。いまの話でいうと商品開発の人が、マーケティングに関わっていることになるじゃないですか。

足立 そう考えると、経理とかのバックオフィスのメンバー以外は全員マーケティングに関わっているのではないでしょうか。

 営業は完全にマーケティングの一部ですよね。営業がきちんと商品を店頭に置かなかったら売れません。私はドラッグストアのビジネスに長く関わってきたのですが、例えば洗剤はどんな広告を配信するかよりも、商品が店頭に置かれてあることのほうがビジネスには圧倒的に重要です。つまり流通はとても大事な要素であり、それも含めて実行していくことがマーケティングなんです。

高広 足立さんがおっしゃるように、多くの会社ではバックオフィス以外がマーケター的であるのが理想だと思うのですが、いいことだけでなく壁に感じたことはありますか。
       

      
足立 最初は、着ていく服がなかったですね。私はカジュアルなカッコが多いけれど、社員はスーツにノーネクタイの方が多く、すごい居心地が悪いと感じていました(笑)。

高広 服装で馴染めなかったと(笑)。

足立 疎外されている感じがしました(笑)。皆さんから「壁に感じたことはないか」とよく聞かれますが、邪魔をされたりしたことは、ほとんどなかったんです。先ほどスモール・ウィンと言ったように、全部いっぺんに変えようとしているわけではなくて、こういう製品群で成功させれば横展開できるからと、まずはここまでやって成功したら、それを他で横展開していくわけです。変わっていくのは、少しずつでいいんです。だから、あまり大きな抵抗を受けたことがないです。

高広 他の会社では、マーケティング部署をつくろうとすると、反対勢力が現れるとよく聞きます。

足立 それはマーケティングを販促だと思っている会社の人ですよね。要はお金を使うのは悪で、お金を稼ぐ人が正しいという発想ですね。

高広 営業が強い企業ですね。

足立 営業はお金を稼いでくる、マーケターはお金を使うだけと思われているんですよね。それは全く正しくない理解です。

 

次回は、12月13日に第三回目のレポートファミマ CMO 足立光氏が「マーケターは必要ない」と語る理由 を公開予定です。

他の連載記事:
リテールアジェンダ2021レポート の記事一覧

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録