NewsPicksラウンドテーブルディスカッション
売れない時代“人間理解”が、新しい価値とファンを生み出す。NewsPicks、青山商事、北海道上川町が挑戦する「共創コミュニティ」づくりとは?
2022/03/22
2021年12月9日から10日に、マーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ東京2021」が開催されました。同じテーブルに座った参加者同士でお題に対して議論するラウンドテーブルディスカッションは、「企業や自治体における『共創』を考える」をテーマに、NewsPicks Creations事業責任者の纓田和隆氏、青山商事 レディス事業部企画グループ グループ長の星川直美氏、北海道上川町の情報防災室係長 清光隆典氏、経済課移住定住グループ 三谷航平氏の4人が登壇しました。
そもそも共創とは、企業や自治体が消費者や協力関係にある別の企業とさまざまなステークホルダーを巻き込みながら商品・サービスの開発や改善を行うことです。イノベーション創出のきっかけとしてはもちろん、マーケティング手法としても注目されています。
しかし、多くの企業や自治体が挑戦するも、上手くいかず大きな成果が得られないケースも多くありました。そこで、共創コミュニティの立ち上げ支援から伴走支援までを行うNewsPicks Creationsに、これまでの取り組みや、マーケティングにおける可能性について発表いただきました。本レポートでは、当日の発表内容と合わせて、共創の一部を体験するワークショップの様子をお届けします。
そもそも共創とは、企業や自治体が消費者や協力関係にある別の企業とさまざまなステークホルダーを巻き込みながら商品・サービスの開発や改善を行うことです。イノベーション創出のきっかけとしてはもちろん、マーケティング手法としても注目されています。
しかし、多くの企業や自治体が挑戦するも、上手くいかず大きな成果が得られないケースも多くありました。そこで、共創コミュニティの立ち上げ支援から伴走支援までを行うNewsPicks Creationsに、これまでの取り組みや、マーケティングにおける可能性について発表いただきました。本レポートでは、当日の発表内容と合わせて、共創の一部を体験するワークショップの様子をお届けします。
情報爆発時代、お客様に価値を届けるための「共創コミュニティ」
そもそもNewsPicksが共創コミュニティ支援サービス(NewsPicks Creations)を始めたのは、事業責任者である纓田氏が、長年マーケティング責任者と関わる中で、メディアによる既存の広告・宣伝手法に限界を感じたことがきっかけでした。
まだ世の中に課題が山積みだった時代、生活者は企業から発信される情報を求めていました。現在、たゆまぬ企業努力により課題解決が進んだ一方、企業側からの発信量は増え続け、情報の供給が需要よりも多くなっています。
企業側からすると、自社の商品・サービスをエンドユーザーに届けるのが非常に困難になっていて、もっと言えば、そもそも何を価値として生み出すべきなのか、その意思決定が難しくなっているとも言えます。PRがうまくいっても事業自体が失敗に終わってしまうケースもあり、ビジネスの成長にコミットしたマーケティングの打ち手を考える必要があるとのことです。
より本質的なマーケティング支援をNewsPicksのアセットを活用して支援できないかと考えた結果、NewsPicksユーザーと企業とが価値創造を目指すコミュニティをつくるサービスが生まれたのだと言います。この構造を作り出すことができれば、企業が本当に社会から求められている価値を生み出し、さらに生活者の皆様と一緒にその価値を世の中に広げていけるのではと考えたのです。
マーケティングに「人間理解」を実装
NewsPicksと青山商事が共創コミュニティ「シン・シゴト服ラボ」の組成に向け、協業を始めたのは2020年4月でした。そこから約1年半をかけてコミュニティミッションの策定、メンバーアサインメント、プロジェクトの立案、商品・サービスの開発、クラウドファンディングによるテストマーケティングと進めてきました。中でも、コミュニティミッションの策定には特にこだわったのだと言います。
「シン・シゴト服ラボは単なるアイデア出しをするコミュニティではなく、『ビジネスウェア3.0を定義する』をミッションに掲げ社会課題の解決を目指す場所です。働く時は誰もがスーツを着る「画一性」が求められた時代から、働く服装を自由に選択できる時代の到来、今後のビジネスウェアのあり方をNewsPicksユーザーとともに模索していきたいという意志を込めました」とコミュニティマネージャーであり、青山商事の星川氏は語りました。
さらに、「働き方に合わせて服を変えてもいい、働く人が服装を自由に決められる社会にしたい、それを応援するのが青山商事である」と星川氏は言及。商品開発を社内だけで完結するのでは得られない「誰のために」「何のために」に立脚し、ターゲットが「泣いて喜ぶ」課題解決を基にした商品づくりが共創コミュニティによって実現できたと語りました。
「顧客視点での商品・サービスづくりは、どの企業も向き合うべきテーマだと思っていて、言い換えればどれだけ『人間理解』が進んでいるのかこそ、本質的に求められるモノを生み出し、世の中へ伝えることに直結していると考えています。コミュニティを構築し、生活者の方々と対話できる環境を整えることが、重要だと考えています」 と、纓田氏は言及しました。