ダイレクトアジェンダ2022外伝 #01

キューサイの新社長 佐伯澄氏が語る「HUMAN DIAMOND」を軸に1人ひとりの顧客に寄り添う新生キューサイの未来とは【ダイレクトアジェンダ2022レポート外伝_第1回】

 

社長の意見よりMI部の声を優先する、徹底した顧客視点


 そして新たなキューサイでは、徹底的な顧客視点を実現するために、マーケットインテリジェンス、市場情報戦略部の略である「MI部」を新設しました。



「顧客起点というと、ロゴを変えたり、メッセージを変えたりなどの表面的なことだけになりがちですが、社長の思いだけでは意味がありません。MI部で、ウェルエイジングアドバイザーというお客さまのパネルで必ず意見を聞くようにしています。MI部はデータを集めるだけでなく、直接アドバイザーとの会話もしていて、社員は4名ですが、アドバイザーは1000人規模でいます」と言います。

 今のキューサイでは、新設されたMI部の意見は絶対で、出てきた意見は社長も逆らえない体制になっています。商品開発、プロモーション、営業の意見よりもアドバイザーの意見を優先しているそうです。

 そして、社内のコールセンターでも店頭でもデジタルでも、対応を徹底的な顧客視点に変えたことにより、成果がすぐ出たといいます。
・お客さまの悩みを徹底的に聞くことだけでLTVが上昇
・情報の提供をしっかりと行う
・購入しないで帰るお客さまには、別の情報を提供
・インスタライブにお客さまと一緒に出演し、そこから出たアイデアを商品化

 この辺も、すぐに取り入れられそうな施策ばかりです。まずは徹底的にお客様の話を聞く。それだけで大きく意識も成果も変わりました。
  
対談中の藤原氏(左)と佐伯氏(右)
 

新しい顧客体験へアップデート、自信を持って進むのみ


 最後に、2025年300億円という大きな目標へのアプローチについて、佐伯社長は最後に熱い想いをこう語ります。

「売り上げ増加のためにはモメンタムが3つ必要です。①リブランディング、②顧客の声を聞いた商品をつくり、③CRM、One to Oneが必須。
とにかく新しい顧客体験をつくることが大事であり、単に商品利便性や機能性がいいだけでは売れません。顧客体験のアップデートが必要になります。不安はありません。実行しなければ、成長はないので、自信を持って進めていくのみ。」

 定義の刷新、インサイト発掘からのメッセージ、MVVの浸透、HUMAN DIAMONDとMI部を中心としたプロダクトアップデート、すべては一貫して「顧客の体験」を主語としていることに、読者の方は気づかれているでしょうか。事例も満載ですぐにでも活用できそうなエッセンス満載のキーノートでした。

 他にもダイレクトアジェンダ2022の記事をまとめていますので、ぜひご覧ください。
 
・キーノート#1  ZOZO 執行役員の山崎孝郎氏、資生堂ジャパン EC事業部 部長の小椋一平氏、Mizkan Holdings 執行役員 最高ダイレクト戦略責任者の高橋宏祐氏、シンクロ 代表取締役社長の西井敏恭氏によるキーノート「ダイレクトマーケティングの現在と未来。今後3年間で起こるイノベーションは何か?」(近日公開)
他の連載記事:
ダイレクトアジェンダ2022外伝 の記事一覧

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録