Yahoo! JAPAN MARKETING CONFERENCE 2022Sponsored

ヤフーと実現する日産自動車のフルファネルマーケティング、潜在層へのアプローチで第一想起・CVが劇的に向上

  日産自動車は、Yahoo! JAPANのビッグデータを活用し、自動車の購入段階に入っている検討層だけでなく、これから購入を検討する潜在層のアプローチに成功。その結果、車種の第一想起検索や、広告のコンバージョンを劇的に向上させることとなった。

 今回の取り組みを実施したヤフーと日産自動車、TBWA HAKUHODOは、どのようにマスメディアとデジタルメディアを融合し、フルファネルのマーケティングを実現したのか。2022年6月10日に、ヤフーのマーケター向けオンラインイベント「Yahoo! JAPAN MARKETING CONFERENCE 2022」で行われたセッションをレポートする。
 
「日産自動車に学ぶ、お客さまと常時接続した フルファネルマーケティングへの改革」をテーマに、ヤフー マーケティングソリューションズ統括本部 第一営業本部長 林大作氏(左)、日産自動車 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部 シニアマネージャー 小倉遵也氏(中央)、TBWA HAKUHODO Nissan United インベストメントプラニング部 部長 関谷俊博氏(右)の3人が登壇した。
 

未来のお客さまにアプローチ、ヤフーのデータマーケティングソリューション


 耐久消費財である自動車の買い替えサイクルは、平均的に7~10年と言われ、購入の検討段階に当たるのは全自動車ユーザーの2%前後になる。加えて、そのほとんどが検討段階に入った時点で、購入車種をある程度決めてしまっている。

 つまり自動車メーカーにとっては、すでに他社メーカーの購入が決定している消費者を振り向かせるのは非常に難しい。そのため、ユーザーの購入ニーズが顕在化する前の段階でアプローチする必要がある。

 日産自動車の小倉氏は、「ニーズが顕在化した段階で接触しても、お客さまを取りこぼしてしまう割合が大きい。マスメディアとデジタルを組み合わせて、顕在化する前の潜在層、いわば『未来のお客さま』にアプローチする必要性を感じていました」と話す。

 それを実現するために重要なのが、自動車の検討段階に移るタイミングをタイムリーに把握すること、つまり潜在層から検討層までをフルファネルで捉え、テレビとデジタルを統合的に組み合わせた施策を打つことだった。
   
ヤフー マーケティングソリューションズ統括本部 第一営業本部長
林 大作氏

 一方で、近年は自動車のような耐久消費財だけでなく、あらゆる商品やサービスがインターネット上で比較検討されるようになっている。そのため、ヤフーの林氏は「消費者は、買い物をするときに、よく調べた上で自信のある選択をしたいと考えていることがデータから読み取れます」と言う。購入検討時に、ある程度購入する商品を決めてしまうのは、自動車に限った話ではないのだ。

 ヤフーはこのような日産自動車の課題に対して、TBWA HAKUHODOとともに、そうした未来の顧客となる潜在層を先回りして捉えるソリューションとして、同社のデータマーケティングソリューションを提案した。



 ひとつ目の取り組みとして実施したのは、Yahoo! JAPANのビッグデータを用いたマーケティングソリューション「Yahoo! JAPAN 予測ファネル」の活用だ。

「Yahoo! JAPAN 予測ファネル」は、まずYahoo! JAPAN上のユーザーの行動を分析し、購買や来店といったアクションの可能性を予測して、コンバージョンの可能性が低い0.0からコンバージョンの可能性が高い0.9までのスコア化を行う。そのスコア化したユーザー群をマーケティングファネルに落とし込むことで、潜在顧客や見込み顧客のボリュームを可視化できるというソリューションになる。簡単に言えば、データから企業独自のファネルをつくるサービスだ。



 その際、各社の課題に合わせて、何を教師データ(判断基準となるデータ)としてスコアリングするかが予測精度を高める鍵となる。日産自動車では、同社の車種を購買する可能性が高いユーザー群のアクションを教師データにして、その車種の購入を検討し始める前の潜在層、そして検討中である比較検討層を可視化した。その具体的なユーザーのアクションとしては、前者は日産自動車の車種の第一想起検索、後者は近所のディーラーを検索するなど購買に近い情報収集を設定した。これにより、潜在層、検討層それぞれに合わせた広告配信を行った。



 TBWA HAKUHODOの関谷氏は、「このプロジェクトの狙いは、マーケティング戦略とメディアとクリエイティブのプランニングの常時接続を実現することにより、未来のお客さまの検討行動に先回りしてアプローチしていくことです。ヤフーの予測ファネルを活用すれば、ターゲットに対してダイレクトでアプローチできる上に、生活者のフィードバックを活用して予測モデルやクリエイティブを進化させられます」と言う。
   
TBWA HAKUHODO Nissan United インベストメントプラニング部 部長
関谷 俊博氏

 日産自動車では、この第一想起予測(潜在層)とコンバージョン予測(検討層)において、それぞれスコアが高かったターゲットに広告配信したところ、ディスプレイ広告の全体配信と比較して、第一想起検索は2倍、車種のコンバージョン含有率は8.1倍の成果が得られた。「この結果から、実際に日産自動車さまの車の販売につながるアクションを促すことに成功したと明確に言えます」と、ヤフーの林氏は力を込める。

 この施策全体を振り返り、日産自動車の小倉氏は「コンバージョンに近い、ファネルの下部だけに注目していると、チャンスを見落としてしまうことを改めて感じましたし、何よりもそれがデータでも証明されたことが大きかったです。ファネルの上部の潜在段階からしっかりとアプローチしていくことで、結果として下部のコンバージョンが飛躍的に上がる非常に良い事例になりました」と述べた。
  
日産自動車 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部 シニアマネージャー
小倉 遵也氏
 

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