マーケティングアジェンダ2022 レポート #02

グローバルマーケティングで成功する三種の神器とは、元ユニ・チャーム・木村幸広氏が解説【マーケティングアジェンダ2022レポート第1回】

 

マーケターとして激アツの人になれ


尾澤 いざ、マーケティングを実行するためには、マーケティング以外の他の部署の協力もないと、なかなか前に進められません。木村さんは他の部署との協力や連携は、どのように進めてきましたか?

木村 「消費者のためだとわかっているけど、他部門の人がわかってくれない」という悩みを抱える若いマーケターは少なくないと思います。私も30歳でアシスタントマネージャーを務めた頃、年配の社員が協力的ではなく、苦労した経験があります。そんな時は、「あいつは少し生意気だけど、信じられるね」という人になることが大切です。生意気に思われるのは嫌かもしれませんが、お客さんのために堂々と仕事をしていたら、どうしても生意気にならないといけないんです。

そして、そう思ってもらえる人になるためには、まず他の部門から信頼を得るために、マーケターとして実績を出すことが重要です。そのうえで「消費者のために仕事をする」という信念が欠かせないでしょうし、周りの人たちに好かれる人間的な魅力も必要です。情熱を持って仕事に打ち込む人、実際に現場で動いている生産や経理、営業部門の人たちに、常に感謝を忘れない人は絶対に好かれると思います。それが部門全体を動かすことに繋がっていくのではないでしょうか。

私は「絶対にお客さまに幸せになってほしい」という気持ちを胸に、常にマーケティングに取り組んできました。ユニ・チャームの商品自体が人の困りごとを助けようという商品が多く、生理や介護など人の困りごとを何とかしてあげたいと本気で思っていたことが、マーケターとして第一線に立ち続けられたポイントだと思っています。

尾澤 ありがとうございます。木村さんのお話を伺っていて、心意気のあるかただと感じました。最後に、木村さんの話を私なりにまとめると、まずお客さまを観察する、つまり消費者を見る、消費者の視点を見るということが大事である。そして、消費者の顔を把握した後に、そこから小さくはじめる。実行にあたっては自分1人やマーケティングチームの力だけではできないので、他部署などから協力者を得る。協力者を得るためには、自分自身が激アツな存在になり、人を巻き込んでいくということですね。「あいつのためなら一肌脱ぐよ」という存在になる、ということだと理解しました。ありがとうございました。
  
対談終了後のお二人

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