ネプラス・ユー大阪外伝 #02
マーケティングにサイエンスとアート、どちらが大事か?【ネプラス・ユー大阪2022レポート外伝 第2回】
クリエイティブが、マーケティングのメッセージを形にするだけになった
続いて、山崎氏と萩原氏からこんな話がありました。山崎氏は「いまの時代、広告でひとを説得することなんてできません。大事なのはその広告に影響力があるかどうか、だと思います。今回のカンファレンスのテーマの一部である『変わらないもの』は、人間の生理であり、進化しないポイントです。昔と同じことをする、愚かな生き物であり、そこに向けて愛情を持ってどういう視点で話すか。 そのため、正論だけでは響きません」と語ります。
萩原氏は「アートな意見をサイエンスに置き換え、サイエンスな意見にアートを付け加える。歩み寄るのではなく、両方を使うんです」と話します。
この話を聞いて、昔のテレビCMと比較しても、現在はロジックやサイエンスが強くなり過ぎているのではないかと思いました。もしくは、サイエンスとアートを初めから切り離し、別々で考え過ぎているのではないでしょうか。アートの土台にはサイエンスがあり、サイエンスの先には、必ずクリエイティブがなければいけません。正論だけで説得しようとせず、愛情をもってマーケティングをする。そんなアート脳が必要なのです。
クリエイターとマーケター、どっちが上か、そんなの別にどうでもいい
私は今回のセッションと、杉山氏のセッションを聞いて、自分の考えを改めなければならないと思いました。好きか嫌いかではなく、認め合うかどうか。クリエイターの言っていることがサイエンスで実証されなくても、信じるかどうか。そして、ユーザーに届くかどうかです。
そのためには、マーケティングとクリエイティビティの両方が間違いなく必要です。そして、その立場の上下関係は、消費者にとって本当にどうでもいい話です。いろいろなカンファレンスに参加し、書籍を読んで、凝り固まった頭になってしまっていた私にとって、頭を叩かれたような刺激的なセッションでした。皆さんは、いかがでしょうか。それでは、次回のレポートに続きます。お楽しみに。
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