ネプラス・ユー大阪外伝 #04

日本コカ・コーラCMO和佐氏が語る、8つの信念とは【ネプラス・ユー大阪2022レポート外伝 第4回】

  オンラインプログラミングスクール「テックアカデミー」を運営するキラメックスでマーケティングを担当している福田保範です。2022年7月21日、22日に行われたマーケティング・カンファレンス「ネプラス・ユー大阪」に参加しました。今回は、そのレポートの第4弾です。

今回のレポートは、ネプラス・ユー大阪の最後のセッションとして、日本コカ・コーラ チーフ マーケティング オフィサー(最高マーケティング責任者)の和佐高志氏と、noteプロデューサー ブロガーの徳力基彦氏が登壇しました。和佐氏が登壇する機会は稀で、「和佐CMOが大事にする8つの信念とは?」というタイトルで、同氏がリブランディングさせた綾鷹のマーケティング戦略や考え方、マーケティング、ビジネスをする上で大事にしている信念を語りました。今回は、同氏が大事にしている信念の部分を中心にまとめます。

さて、いきなりですが、聞き手を務めた徳力氏が本セッションの最後に語ったコメントを紹介します。

「和佐氏の語る信念は、どこかの本に書いてあることかもしれません。しかし、大事なことは、綾鷹や檸檬堂で実践されたマーケティングのように、信念を持ってやりきることの大切さです。信じて、努力すればマーケティングは新しい未来をつくることができる。これがマーケティングという仕事の面白さです」

マーケティングの本質的な楽しさの理由が、凝縮された内容になっています。マーケターだけではなく、仕事をしている全ビジネスパーソンに、ぜひとも読んでほしいです。

「あなたに、信念はありますか?」それでは、どうぞ。
 

和佐氏に学ぶ信念を貫くことの重要性


日本コカ・コーラ チーフ マーケティング オフィサー(最高マーケティング責任者)
和佐 高志氏

 さっそく、和佐氏の考える「8+2つの信念」についてまとめます。「+2」としているのは、ここ最近で新たに2つ追加され、合計で10個の信念になったからです。

 この信念は、和佐氏が40歳くらいに描き始めたものです。これまでの経験やスキルを前提として、コカ・コーラでの成功は、これらの信念が生んだ賜物です。綾鷹や檸檬堂も、この信念の通りに行動した結果、成功に導いています。



 今回は、私の解釈も入れてカテゴリごとにまとめてみました。皆さんも、日々の仕事でこらから紹介する信念を取り入れると、明日からの仕事の熱量とアウトプットのクオリティが上がるような参考になる信念ばかりです。マーケター、クリエイターではなく、ひとりのビジネスパーソンとして大事な考え方ばかりが詰まっているので、ぜひ参考にしてください。
 

「情熱の信念」


 まずは、情熱の信念です。そして、これこそが和佐氏の全ての源泉となっています。

(1)Passion & Relentless Effort 情熱とたゆまない努力
(2)An ability to entertain inconceivable 誰もが考えもしないことを考える力
(3)Power of Collaboration 三人寄れば文殊の知恵


 和佐氏は「努力したからといって成功するという保証はありません。しかし、成功の裏にはたゆまない努力と情熱を持った人がいます。そのため、意志のあるところにしか道はひらけません。パッションを持つひとりが必要になります。さらにそこには、知的好奇心、マーケターとしての心意気が必要で、『綾鷹がダメだ』と批判されても、自分がパッションを持っていれば工夫して徹底的に売りたくなります。そのためには、はじけたことをやる、誰も通らなかった道を通らなければなりません」と言います。

 さらに、和佐氏は続けて「しかし、ひとりの情熱だけでは勝てません。難しい問題に取り組むにはコラボレーション、チームワークが必須になります。商品開発やプロモーションでは、クリエイティブや法務部などとの連携も必要です」と語ります。

 私がこの3つの信念をまとめたのは、一連したストーリー性を感じたからです。そして、これらの信念がひとつ一つでは、独りよがりになってしまうと思ったからです。情熱と努力、それを実現するアイデア、そしてチーム。これらがひとつでも欠けてしまうと、すぐれたマーケティングを実現することは難しいでしょう。

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