ネプラス・ユー大阪外伝 #04
日本コカ・コーラCMO和佐氏が語る、8つの信念とは【ネプラス・ユー大阪2022レポート外伝 第4回】
「基本の徹底の信念」
次の信念は「基本の徹底」の信念です。
(4)Focus on Fundamental and Get the basic Right 基本の徹底と戦略的集中
(5)凡事徹底が非凡を生む
和佐氏は「いろいろな問題があるが、本質的な問題は1つか、2つしかありません。他の問題に目を向けず、本質的な問題を掘り続ける。他の問題を解決しても、決して大きな改善は望めません。これは難しいですが、本当に大切です。綾鷹を例にしても、一番の問題はひとつのみで、そこを徹底的に見直しました。そして、1番厳しいチャレンジから逃げてないか。厳しいチャレンジを避けても、山は動きません。基本に忠実に、しっかり向き合うことが大切です。それをしっかりとできるようになった後に、自分の味を出すようにします。非凡になるのは最後、結果論の話です」と、基本の徹底と凡事徹底がいかに重要かを語ります。
これはオープニングキーノートを含めて、ネプラス・ユー大阪全体を通じて話されていたことです。結局、基本ができていない、基本が徹底されていないと、成果は出ないということです。
我々は新しいことを覚えたら、それを実践したり、挑戦したりしたくなります。しかし、今一度立ち返り、それらはただ新しいことに飛びついているだけなのではないか。本質的な問題はどこで、そこに対して、しっかりアプローチしている施策なのか、と自問自答するようにしましょう。
「人との関わりの信念」
そして、これだけすぐれた実績とノウハウを持つ和佐氏も、結局は人との関わりが重要であると言います。
(6)Inspire Leadership インスピレーショナル リーダーシップ
(7)Emotional Bonding with consumer and your team 感情的なつながり
(8)Give light for others to succeed 人が成功する為の道しるべ
和佐氏は「No follower、No leader。誰もついてこないリーダーは、リーダーではありません。P&Gのリーダーシップのフレームワークである「5E」をいまだに大切にしています。
- Envision:情熱を注ぐ
- Engage:人を巻き込む、チームのビジョンに落とし込む
- Enable:助ける。一緒に考える
- Energize:凹んだ時にエナジーやリソースを注入しり
- Execute:消費者をみる。どれだけいいチームでアウトプットするか
そして「いいブランドは機能的価値と情緒的価値のパワーを持っています。情緒的なパワーは、人からしか出てきません。ときには、論理的な論破も必要ですが、最後は気持ちです。結局は、普段の人間関係が重要になります」と言います。
ネプラス・ユー大阪の別のセッションで、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン 代表取締役社長の若月貴子氏も、「商品への信頼はもちろんですが、チームとしての一体感を大事にしています」と話があり、結局は心を動かすのは人と人との関係であることがわかります。
人の上にたつリーダーが、ただ仕事を指示する、管理するだけであれば、ブランドや商品への情熱が失われ、それが営業や販売にもあらわれ消費者に伝わっていくでしょう。そして、リーダーは自分の知識や経験を惜しげもなく、次世代に継承していくこと大切さを語ります。「今の私があるのは、実践できる機会を与えてもらったからです。現在は日々の業務で、少しでも返せることがないか、意識するようになりました」と言います。