リテールアジェンダ2022レポート #02

DX推進のために経営者の成績表をガラス張りに?トリドールホールディングスのDX戦略とは【リテールアジェンダ2022レポート第2回】

 

二律背反を乗り越え、二律両立することでブルーオーシャンを築く


鈴木 では、続いてトリドールHDの経営方針をお聞かせください。
    
デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長
鈴木 康弘 氏

磯村 トリドールHDは、「食の感動で、この星を満たせ。」というスローガンを掲げています。ミッションは「本能が歓ぶ食の感動体験を探求し世界中をワクワクさせ続ける」です。この「食の感動体験」を非常に大事にしています。

たとえば、丸亀製麺では、粉からうどんをつくり、その湯気が上がっているところをお客さまに見てもらうようにしています。その体験から、美味しさを楽しんでもらいたいという想いをとても大事にしています。

ビジョンは「予測不能な進化で未来を拓くグローバルフードカンパニー」を掲げ、グローバルフードカンパニーのような事業規模を目指しています。その実現のために、「KANDOトレードオン戦略」を掲げています。これは店舗で「手間暇かけてこだわって展開」と「スピーディに効率的に展開」すること。そして「そこでしかできない体験」と「世界中どこでもできる体験」という一見すると相反するような二律背反を乗り越えて、二律両立することを目指しています。それが困難だからこそ、実現した先にブルーオーシャンがあるという戦略をとっています。これがトリドールHDの基本的な経営戦略です。他社では、なかなか真似することができない業態にしていきたいですね。

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