ライジングアジェンダ2022外伝 #01

ファミマ CMO足立光が語る「マーケターのキャリア形成」に必要な6つの視点【ライジングアジェンダ2022レポート外伝 第1回】

 

キャリアのパターンという目標設定と期待値設定


 次に、須佐氏から「マーケターのキャリアのパターンと描き方とは?」という質問がありました。多くの若手マーケターに話を聞いても「このまま年功序列で、積み上がりでマネージャーになっていく姿しか想像できません」という話は、会場でも共感して頷いている人が多かったです。
  
マーケターのキャリアについて語る足立氏

 足立氏からは大きく分けて2つの道があるという話がありました。
 
  1. 専門分野を極める。たとえば、マーケティングリサーチ。さまざまなブランドにおいて、戦略を導くためにリサーチ自体の深さを深めていくこと。ソーシャルやリサーチなど、マーケティングのどの分野でもいい。

  2. 商品開発、販促、営業、PRなどマーケティングは幅が広い。自分の経験の幅を広げ、スキルや実績を増やし、経営者に近づく。

 続いて、足立氏から「目標設定の重要性」が語られました。足立氏は「世界では30代で社長をしていることが普通です。50歳、60歳で社長を目指すという日本や韓国がむしろ例外であり、スピード感が違います」と話します。

 須佐氏は「30代は成長の過程という認識がありました。今後10年でも私が社長になっているイメージが湧きません。今のキャリアプランニングに関して、足立さんは自分自身が描いた通りなのでしょうか」と重ねて質問をします。
   
足立氏のキャリアについて質問する須佐氏

 それに対して、足立氏は「思い描いた通りではありません。というか、ほとんど思い描いた通りのキャリアを築けている人はいないはずです。私自身、自分がコンビニ業界にいるなんて考えたこともありませんでした。そのため、キャリアについては『目標設定』が大事になります。たとえば『30代で社長になる』と決めるんです。その目標のために、目の前の仕事で結果を出し続け、役職を上げなければなりません。結果、30代で社長になるには、新卒で入社してから10数年間のうちに6、7回昇進しなければいけないという短期的な目標ができるようになります」と語られました。

 目標設定のときに、「どこを目指すのか」だけではなく、「どのくらいのスピード感で、そこを目指すのか」という期間の設定をしている人は少ないのではないでしょうか。どういう業界でどういう仕事をしていたいという具体的なキャリアを描いても、その通りにキャリアを形成することは難しいです。ただ、キャリアのパターンというレベルで、専門分野と経営者のどちらのキャリアを歩むのかといった目標設定はしておかなければなりません。

 スピード感をもって自分の目標に到達するためには、成果を出し続ける必要があるという話は、特にこのセッションの中でも刺激的であり、重要な内容であると私は感じました。

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