ライジングアジェンダ2022外伝 #01

ファミマ CMO足立光が語る「マーケターのキャリア形成」に必要な6つの視点【ライジングアジェンダ2022レポート外伝 第1回】

 

マーケターとして結果を出し続けるには


 次に、須佐氏から「どうやって結果を出し続けるのですか?」という質問がありました。

 足立氏は「自分は2、3年で結果を出すということを強く念頭においていました。そうしなければ、外資系企業では生き残っていけませんでした。そのためには、1年目も絶対に無駄にできなかったので、中途で入社したマクドナルドでも入社して2ヶ月、ファミリーマートでは入社前に、大枠の戦略・ビジョンをつくり、初日から仮説を持って動けるようにしました。遅くとも入社から2、3ヶ月までには事業やブランドの全体を理解し、自分の中で拠り所となる意志、ビジョン、戦略、施策を策定し、実行を始めて、PDCAを回し始めましょう。成功するか失敗するかはもちろんやってみないとわからない部分はありますが、とにかくアクションをとり始めることが大事です」と話します。
  
結果を出し続ける足立氏

 続けて足立氏は「なぜなら、結果も出していない新参者が根本の戦略をいきなり変えることは難しいからです。担当としてスタートした直後は仮説や意志を持ちつつ、『Size of Prize(どれくらい効果がありそうかの大小)』、『Feasibility(実現難易度)』を意識します。成果は大きくなくても、取り組みやすくて難易度が低いことから積極的にチャレンジすることが重要です。そして少しずつ『この人に任せたら成功できるかも』という信頼を組織の中で獲得してから大きいものにチャレンジしていきます」と小さい成功が大きな成功につながると語ります。

 須佐氏は「私も『はぴだんぶい』の取り組みが認められて、『クロミ』の担当になれたのだと思います。そのため、結果を出してたまたま今の担当に行き着いているという感覚があります」と話します。
  
「クロミ」を担当していることについて語る須佐氏

 足立氏は「どんなチームでも、やったことがない仕事でも、成果を出し続けられるかどうかが、優秀かどうかの分かれ道です。チームが気の合う優秀な方ばかりなら、または過去にやったことがある仕事なら、成果が出て当たり前です。ただ、上司やチームメイト、仕事は基本的に選ぶことができません。そのため、厳しい環境のときでも、全く初めての業務でも、いかに結果を出し続けるかが、組織で認められて、次の役職や新しいやりがいのある仕事に就けるかどうかのカギになります」と語ります。

 結果を出し続けるためには、自分なりのビジョンや戦略を早い段階で整理し、それを示して実践していくことが必要だという足立氏の言葉は、どんなマーケターにも響く言葉だと思います。

 みなさんは、自分なりの仮説を説明できますか? 今からでも遅くはありません。ひとりのマーケターであるならば、自分なりの分析と整理を行い、ビジョン・戦略を策定し、チームに方向性を語れるようになりましょう。

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