ライジングアジェンダ2022外伝 #01

ファミマ CMO足立光が語る「マーケターのキャリア形成」に必要な6つの視点【ライジングアジェンダ2022レポート外伝 第1回】

 

マーケターとしてキャリアを築くために必要なスタンス


 最後に「マーケティングでキャリアを築くために必要なこと」というテーマで、足立氏から、2つの視点で語られました。
 
  1. 「将来、自分はどんな風になっていたいか」というイメージをある程度持っていた方が間違いなくいい。スペシャリスト、経営者のどちらにいきたいかを決めておくことがポイント。そのために必要な情報、知見、経験を得られるように動いていく。

  2. そのために必要なのは、人との繋がり。違う業界、違う世代、違う国の人たちと、さまざまなところで繋がっていくことが大事。全く違うから面白いのであって、同じ業界、同じ世代の人と話しても、驚きや新たな発見は少ない。今の仕事を一生することはないが、友だちは一生付き合う。友だちは大事にする。人に会いたいと思われるのは「得か、面白いか」の2つしかない。得かどうかはその時々で違うが、面白いかは、趣味・独自の魅力や世界・ネタがあるかどうか。また会いたいと思われるような人になる。

 そして「マーケターとしてあるべきスタンス」も2つの視点で語られました。足立氏は「ひとつ目は、好奇心を持つことが大切です。マーケターは人の心を動かすことが仕事です。なので、人の心が動かされているもの、つまりは流行っていることを自分自身で体験して、どんな理由で流行しているのかを研究する好奇心が必須です。2つ目は、特に日本では『自分自身をマーケティングしていくこと』が、あまり重要視されていません。あの人に仕事を任せたらこういう仕事をする、ということを社内外で発信し、自分自身をブランディングする必要があります。これは自分自身のポジショニング、ベネフィット、ユニークネスを決めて、それを訴求していくこととも言えます。そのため、自分自身のマーケティングに真剣に向き合いましょう。自分のキャリアは、他の誰かではなく、自分自身で考えるしかありません」とマーケターとして必要なスタンスについて語ります。
  
マーケターとしてのスタンスについて語った足立氏

 さて、改めて振り返りましょう。冒頭にも書きましたが、35歳以下のマーケターに限らず、マーケティングに携わる全員にとって重要なことが、たくさん語られたセッションであったと思います。チェックリストを改めて確認してみてください。
 
  1. マーケターの定義に当てはまるか
       a) 人の心を動かす先導者であるか
       b) すべてやる、プロジェクトマネージャーであるか
       c) 成功し続ける組織や仕組みをつくる経営者であるか
  2. 自分はスペシャリストか、経営者か、それに対してスキル・知識・経験を伸ばす努力はしているか
  3. 自分なりの戦略、意志、ビジョンを(できるだけ早く)策定できているか
  4. Size of Prize、Feasibilityを意識して、まずは社内の信頼を得る動きができているか
  5. 人の繋がりを大事にしているか、行動できているか
  6. 自分自身のブランディングにコミットしているか

 みなさんは、何個チェックがつけられましたか?この中で、どれが大事ではなく、どれも大事な内容です。ひとつでも欠けていたら、2023年チャレンジしてみるとよいでしょう。今回の内容がマーケターにとっての道標になることと思います。私自身、自分を見直す有意義な内容となりました。

 それでは、「ライジングアジェンダ2022」レポートの第2回もお楽しみに。
  
対談終了後の須佐氏(左)と足立氏(右)
他の連載記事:
ライジングアジェンダ2022外伝 の記事一覧

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録