マーケティングアジェンダ東京2022外伝 #01

コルク佐渡島氏が語る、マーケターに求められる「編集的視点」【マーケティングアジェンダ東京2022レポート外伝 第1回】

 

漫画を通して企業の魅力を伝え、漫画家の育成も行う


 続いて、佐渡島氏から漫画業界の課題を踏まえて、現在どのような仕事をしているのか、具体的な話がありました。

 佐渡島氏は、「いま力を入れているのは企業と一緒に漫画をつくることです。従来通り、漫画雑誌に載せるストーリーを漫画家に求めてしまうと、その雑誌に合わない漫画は出せなくなってしまいます。すると、なかなか新しいクリエイターが世の中に出づらく漫画で稼ぎにくくなってしまい、産業として漫画は衰退してしまいます。そのため、大スターの漫画家ではなく、少し稼ぐ漫画家たちをたくさん生む必要があるのです。自分自身の物語をつくる前に、企業の物語をつくり、収入を得られる土壌をつくります。その安定した生活の上で、漫画へ挑戦できるようにすることが必要です」と話します。

 これに対して富永氏は、「漫画業界の発展に寄与している尊い進め方だと思います。では、企業と一緒に漫画をつくることについて、もう少し詳しく聞かせてください」と、佐渡島氏の取り組みを深掘りします。
  
Preferred Networks / SVP最高マーケティング責任者
富永 朋信 氏

 佐渡島氏は、「広告は邪魔者だから、すごく工夫しないと受け取ってくれないと企業の人は思いがちです。しかし、そんなことはありません。私自身の成功体験で『ドラゴン桜』で有名な三田紀房さんが著者の『エンゼルバンク』という漫画があります。リクルートエージェントさんと協力してつくった転職エージェントがテーマのこの例からわかるのは、世の中のプロダクト・サービスで生き残っているものには価値があります。それをどう伝えるか、それを表に出すだけでいいということです」と語ります。

 この佐渡島氏の話に、ブランドやサービスとして消費者に対して、どう伝えていくべきなのか「So what ?」のヒントが隠されています。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録