マーケティングアジェンダ東京2022外伝 #03

2030年までに起きるマーケティングトレンドの変化に、マーケターはどう向き合うべきか【マーケティングアジェンダ東京2022レポート外伝 第2回】

 

ベンダー・代理店は、ビジネスパートナーとして事業主の売上・利益と共に成長


 続いて、事業主を囲むコンサルティングの構造変化についても語られました。



 横山氏は「今後はエージェンシーとSIer・SES(システムエンジニアリングサービス)の協業が進むだろう」と言います。さらに「2030年までの大きなトレンドとして、企業のマーケティングをオールインワンで支援するという座組みになるでしょう。たとえば、総合コンサルティング会社が包括的な支援として引き受けていた動画制作やシステム開発といった案件も、ITコンサルやマーケティングコンサル領域の会社が請負い、事業主のビジネス成長をビジネスパートナーとしてSler/SESと組みながら支援していくという座組みが増えていくでしょう」と横山氏は続けます。

 実際、欧米ではその構造が変わってきています。英国の広告会社S4 Capitalでは、売上の小さなスタートアップに人を送り込み、一緒にビジネスを成長させて売上を伸ばしていくことを実践しています。



 上記のスライドのとおり、S4 Capitalでは、小さい規模のクライアントと共に伴走して、事業を成長させて、結果的に1社あたりの利益を増加させていることがわかります。広告会社とクライアント、一社一社の付き合いが、もっと濃密になってきていているのです。

 大槻氏はS4 Capitalの取り組みについて「Purely Digital, Faster, Better, Cheaper(デジタルに特化し、早く、効果的で、安い)を戦略にしている。広告代理店業で“安く”を戦略にしている時点で思い切りを感じる。事業を成長させるほどコミットするために、ソリューションを絞るなどして、徹底的に効率化を行うことにこだわることが戦略で学ぶところが多い」と話した。

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