ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 #01

アンカー・ジャパン、サントリーウエルネス、FABRIC TOKYOが語る事業拡大に大切なこと【ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 第1回】

 オンラインプログラミングスクール「テックアカデミー」を運営するキラメックスでマーケティングを担当している福田保範です。2023年3月23日、24日に鹿児島にて行われた「ダイレクトアジェンダ2023」のレポート第1弾になります。

 今年のダイレクトアジェンダのテーマは「DEEP DIVE INTO NARRATIVE」。3年前の2020年のテーマ「NARRATIVE」を改めて深掘りするものです。消費者の多様化、技術の進歩によるチャネルの多様化に伴い、企業に必要な姿勢をダイレクトアジェンダ全体を通して語りました。

 今回で7年目を迎えた人気キーノート「ダイレクトマーケティングの現在と未来。今後3年間で起こるイノベーションは何か?」というテーマで、スピーカーとしてアンカー・ジャパン 代表取締役CEOの猿渡歩氏、サントリーウエルネス メディア部 主任の藤澤周平氏、FABRIC TOKYO CEOの森雄一郎氏が登壇し、モデレーターは第1回から務めるシンクロ 代表取締役社長でオイシックス・ラ・大地 専門役員の西井敏恭氏が務めました。

 昨年まではダイレクトマーケティングの代表企業から各マーケティング施策の実施状況を「○×」で整理して潮流を探るという内容でした。ただ、今年からは施策の実施状況を追いかけるのではなく、プロダクト・サービスに向き合うことの重要性や事業拡大のために大切なことを語り、さらに濃密な内容となりました。
 

顧客のニーズに合わせた販売チャネルの重要性


 一言で「ダイレクトマーケティング」といっても業態はさまざまです。最初に各企業のポジショニングをマッピングして整理しました。読者の皆さんは自分の所属している企業が4つの中でどの企業と近いかを想像しながら読むと理解がより深まるでしょう。

 オーダースーツやオーダーシャツをネット通販で購入できるブランドのFABRIC TOKYOは、まず店舗で採寸し、購入するときはECサイトという「OMO(Online Merges with Offline)」のサービスです。

 モバイルバッテリー、充電器、スピーカー、イヤホン、ケーブルを取り扱うアンカー・ジャパンは、従来はAmazonや楽天などの大手ECモールでの販売が大半でした。しかし、最近では自社ECや直営店舗での販売も拡大し、売上を伸ばしています。

 サントリーウエルネスは健康食品・美容商品をECサイトで販売しています。また、オイシックス・ラ・大地は元々仕入れ商品のECサイトでの販売が中心でしたが、徐々に自社製造の商品の販売がメインになっています。


登壇企業のダイレクトマーケティングにおけるポジショニングマップ

 自社EC、大手モール、店舗とそれぞれの良さや難しさがあると思います。ただ、アンカー・ジャパンのオンラインからオフラインという流れは特徴的で、「店舗は看板効果もあるが、高額製品を買うときの購買行動の中で『一度は、直接製品を見てみたい』というお客さまのジャーニーに乗ることが大事」と、猿渡氏は言います。

 お客さまのニーズに合わせた販売チャネルと販売方法の工夫が特徴的でした。また、会場にきていた参加者の声を聞くと、全体的に自社ECに注力している企業が多い印象を受けました。

キーノート#1に登壇した(左から)西井氏、猿渡氏、森氏、藤澤氏

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