ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 #02

徹底した消費者視点の重要性とは?【ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 第1回】

 

お客さま視点でのUIへのこだわりとは


さらに、話題はUIの磨き込みという内容に移ります。以下、登壇者の発言を紹介していきます。

 米国を代表するベンチャー・キャピタル アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者であるベン・ホロウィッツが日本からグローバル企業が出てこない理由は「UIの磨き込みがないから」というインタビューがありました。このインタビューではWebサービスのことを話していましたが、商品やサービス、ブランドも同じく、0.1%の最後の最後までを磨き込めるかどうかが重要だと思いますし、会社でも意識していますね。

西井 オイシックスでも悪いレビューが2つ以上入った時点で商品改訂や取り下げを実施しています。また、ミールキットの説明書を変えたりして磨き込みをした結果、ヒットにつながったので、レビューやUIの重要性を実感しています。アンカー・ジャパンではどうですか。
  
シンクロ 代表取締役社長
西井 敏恭 氏

猿渡 すぐに直せる部分は、次のバージョンから変えています。ただ、チップセットなどを変えないといけないといった大きな改修は、時間がかかりますのでお客さまのレビューをもとに、緊急度と改善の難易度で都度判断しています。

製品は永遠のベータ版」だと思います。なぜiPhoneは毎年新製品がでるのか。それは、お客さまの期待を超え続けたいからだと思いますし、あれだけ巨大企業のAppleにできるのであれば、Ankerグループもそうでなければならないと考えています。

西井 サントリーウエルネスの『セサミンEX』はアジャイルでのアップデートが難しいと思いますが、そこはどうしていますか。

藤澤 西井さんの言う通り、健康食品というカテゴリーでもある事から商品開発には一定時間を要する為、アジャイルでの商品開発を続ける事は難しい側面があります。一方で同じ商品であっても、光の当て方を変える事は出来るので、切り口を変えて消費者にとって価値ある情報をどの様な形であれば伝達できるのかを日々思考しています。

そのブランドがお客様にとってどのような価値があるか把握するために、オンラインでの家庭訪問調査を実施しています。我々が提供したいと考えている価値とお客様が実際に感じている価値の差分を見出し、新しいコミュニケーション開発へと活かす取組みを行っています。
  
サントリーウエルネス メディア部主任
藤澤 周平 氏

 以上が登壇中のやりとりになります。ここから、私の感想に戻ります。UIの磨き込みについて、印象に残ったと会場で言っている参加者が多かったのも印象的です。UIは何もサイトやアプリの見栄えのことだけではないことが注意点ですね。たとえば、LINEでプロモーションを行い、サイトにきて情報を閲覧、店舗で購入した場合も情報が繋がっているのか、顧客体験がそれぞれの媒体で異なっていないか、というカスタマージャーニー全体におけるUIやUX(User Experience)を考える必要があります。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録