ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 #02

徹底した消費者視点の重要性とは?【ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 第1回】

 

消費者の物語にどう入っていくのか


 続いて、森氏の大切にしていることについて語られました。以下、再び登壇者の発言を紹介していきます。

 FABRIC TOKYOでは、オンラインとオフラインの両方を持っていることが強みなので、それを活かしていきたいです。アパレルは特性上、スペック(性能)で伝えることは難しいので、着てもらい、触ってみて、はじめて良さがわかる部分と、デザイナーや職人のストーリーやブランドの狙いをしっかり伝える必要があります。価値は、オーダーメイドであるという以外にもオンラインとオフラインを活用して伝えなければなりません。
  
FABRIC TOKYO 代表取締役CEO
森 雄一郎 氏

西井 顧客にストーリーが伝わっているかどうかは、どのような指標を見ていますか。

 お客さまを格好よくして、朝気持ちよく出掛けられるようにすることがベネフィットだと思っています。そのため、店員が誰よりも商品に詳しくないといけないですし、お客さまのニーズをいかに把握して提供できるかを大事にしたいという考えから社員教育の浸透度をひとつの指標にしています。それが結果に跳ね返ってくるからです。

西井 アンカー・ジャパンでは、体験設計やコミュニケーションの工夫はしていますか。

猿渡 お客さまによって製品知識は全然違います。たとえば、「20000 mAhのバッテリー」というより「3泊4日に最適なバッテリー」という言い方をしたほうが伝わりやすくなる場合があります。

リアル店舗では、直接お客さまと接するため、特にこのようなアプローチが必要だと感じます。デザインや接客などをさまざまな要素で因数分解することで、再現性を高めていきます。また、単なる「知る」という認知だけではなく、お客さまに使ってもらわないと本当の認知は得られません。それは体験がコミュニケーションの軸となるからです。

藤澤 我々もお客様と直接接点を持てる場をこれから積極的に作っていきたいと思います。お客様の生活導線の中で我々の商品を手に取ってもらう機会を作る。その様な接点開発にもチャンレンジしていきたいです。

 以上が登壇中のやりとりになります。まさに、ダイレクトアジェンダ2023のテーマである「ナラティブ」について語られた部分です。提供する商品やサービスを押し付けでもなく、ただ待っているだけでもなく、消費者の普段の生活の中にいかに置くことができるかが重要です。
  
キーノート#1に登壇した(左から)西井氏、猿渡氏、森氏、藤澤氏

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