マーケティングアジェンダ2023 #06

約400人のマーケターが沖縄に集結 「マーケティングアジェンダ2023」が盛況のうちに閉幕

前回の記事:
「マーケテイングアジェンダ2023」開幕 トップマーケターが沖縄に集結、テーマは「アイデアの発見」
 

「アイデアの発見」をテーマに新しい思考をトップマーケターが議論


 2023年5月24日から27日にかけて、日本最高峰の合宿型マーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ2023」(主催:ナノベーション)が沖縄県・読谷村(ロイヤルホテル沖縄残波岬)で開催され、国内外のトップマーケターが約400人参加し、盛況のうちに幕を閉じた。

 今年で7回目を迎えた本カンファレンスは、「アイデアの発見」をテーマに様々なセミナーやアクティビティを実施した。マーケターの頭の中にあるアイデアを成長させ、新たな戦略や企画を生み出していく思考方法を身につけていく場を目指した。
  
 

「アイデアの発見」をテーマに、セッションを展開


 オープニングキーノートは「顧客を動かすアイデア発見を考える」というテーマで、ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)足立光氏、木村グローバルマーケティング 代表/アルダ CMOの木村幸広氏、小林製薬 執行役員 CDOの石戸亮氏がスピーカーとして登壇し、note  noteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦氏がモデレーターを務めた。前半は登壇者が「アイデアの発見」を軸に過去のインプットや経験を語り、後半は会場の参加者同士が円卓でどのようにアイデアを発見し、普段の業務に活かしているかを共有し合った。足立氏、木村氏、石戸氏の三者三様のアイデア発見のエピソードは、参加者が「アイデアの発見」というテーマを意識づけする内容となった。



 2日目のキーノートでは、「毎日の生活をアップデートするアイデア創生の技術~常識の盲点に着目し、幾多の困難を乗り越えた3年間~」をテーマに、Preferred Robotics 代表取締役CEOの礒部達氏、Preferred Networks / SVP 最高マーケティング責任者の富永朋信氏が登壇した。

「すべての人にロボットを。」というPreferred Roboticsのビジョンのもと、消費者の生活の中からアイデアを発想し、AIを搭載することで人の指示で家具を動かす家庭用自律移動ロボット「カチャカ」をステージ上でデモをしながら紹介した。礒部氏は、「アイデアの実現のためには、信念の強さが一番大事だと思います。一度やろうと決めたことを中途半端に止めない。チームメンバーの心が折れなかったからこそ、『カチャカ』を開発・販売することができた」と語り、富永氏も「一般家庭向けロボットを世の中に届けたいという礒部さんの信念の強さがあったからこそ誕生した」と続けた。
  
キーノート#2に登壇した磯部氏と富永氏。ステージでは「カチャカ」が実演された。

 3日目のキーノートは「スシロー躍進を支える戦略はどうつくられたのか?」というテーマで、スピーカーにスシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES 代表取締役社長CEO 水留浩一氏、モデレーターにファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)足立光氏が登壇した。

 スシローが創業から37年間連続増収、全国に610店舗以上、47都道府県すべてに出店し、国内の回転寿司市場でトップを走り続けることができているポイントは、「既存店舗の売上をいかに落とさずに、新規店舗を出店するかにあった」と言及した。また、水留氏が就任してから都心への出店を強化したことについて「チャレンジだった」と語り、エリアを越えた出店や新業態、M&Aのアイデアについては「悶々と悩んで生み出すものではなく、必要に迫られて出てくるのがアイデアである」と語り、スシローだけではなくFOOD & LIFE COMPANIESとして、さまざまな挑戦をすることの大切さを参加者に伝えた。
  
キーノート#3に登壇した足立氏と水留氏

 最終日のキーノートでは、「YOLUの大ヒットを生み出した『I-ne流アイデアの育て方』とは?~BOTANISTのヒットをまぐれで終わらせない、仕組みと文化づくりに迫る~」というテーマで、スピーカーにI-ne 代表取締役社長の大西洋平氏、モデレーターに日本アイ・ビー・エム 執行役員 マーケティング&広報 成長戦略推進の風口悦子氏が登壇した。

 ドラッグストア市場でのシリーズ別売上シェアで国内1位(2023年3月時点・I-ne 調べ)と、目覚ましい成長を遂げている同社のアイデア創出に迫るセッションでは、ヒットを量産できる3つの強みとして、「ブランド創出力・OMO・IPTOS」の大切さを話した。1つ目のブランド創出力では、「1歩や2歩先ではなく半歩先のコンセプトとパーパスを大切にした戦略を採用している」と語った。2つ目のOMOについては、「デジタルマーケティングを活用して、美容開拓層と美容フォロワー層に最初にアプローチしてから、オフライン店舗への配荷を増やして、多くの人に広めることが大切だ」と話した。3つ目のIPTOSは、I-ne独自のヒットを再現できるブランドマネジメントシステムで、「Idea(アイデア)→Plan(企画)→Test(検証・需要予測)→Online/Offline(テスト販売)→Scale(ECスケール・小売り拡大)」を指す。このフレームワークを「ヒットを再現できる独自のフレームワークをもとにヒットを量産した」とを語った。
  
キーノート#4に登壇した風口氏と大西氏

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