B2Bアジェンダ2023特別企画

パナソニックで実践、BtoBマーケティングで顧客の「解像度」を高める方法【パナソニック コネクト 関口昭如氏】

 2023年9月20日から21日にかけて、BtoB企業のマーケティング部門の責任者が集結する合宿型カンファレンス「B2Bアジェンダ2023 (主催:ナノベーション)」が静岡県・浜松市(THE HAMANAKO)で開催される。

 今回、B2Bアジェンダ2023の全体テーマである「Re:Solution」というテーマのもと、ラウンドテーブルディスカッションのモデレーターを務めるのはパナソニック コネクト デジタルカスタマーエクスぺリエンス統括部 統括部長の関口昭如氏になる。それに向けて、BtoBマーケティングの推進において全社的な課題への「解像度」を高める取り組みや、BtoB企業のターゲット選定の「解像度」を高めるワークショップなどについて同氏に詳しく話を聞いた。
 

3つの部門に携わり、全社横断したマーケティングを実践


―― BtoBマーケティングは企業によって、その役割や位置付けが異なるケースが多いです。まずは、関口さんが現在パナソニック コネクトで、どのような取り組みをされているのか教えてください。
 
関口 昭如 氏
パナソニック コネクト
デザイン&マーケティング本部 デジタルカスタマーエクスペリエンス統括部 ダイレクター (兼)モバイルソリューションズマーケティング部 シニアマネージャー (兼)モバイルソリューションズ事業部 マーケティング部 シニアマネージャー(兼)IT・デジタル推進本部

日立に入社後、ルネサスエレクトロニクスなどのB to B製造業企業において、デジタルを中心とした、グローバルマーケティング、デマンドジェネレーションを牽引。2018年10月より、パナソニック コネクト(株)にてデジタルマーケティング、カスタマーエクスペリエンス改革を断行中。また、国立大学院等の教育機関にて教鞭も執る。博士。

 現在、パナソニック コネクトでは3つの部門を担当しています。ひとつ目が直轄部門です。コーポレート部門で全社横断したマーケティングとして、社内のマーケティングのプロセスやシステム、デマンドジェネレーション(営業部門へと渡す見込み顧客の創出や発掘活動全般)、顧客接点の最適化などをセンター・オブ・エクセレンス(Center of Excellence:企業内で点在している優秀な人材や技術、ノウハウ、設備などをひとつの拠点に集約し組織化すること)で顧客接点をデータでつないでいき、ひいてはビジネスにつなげていく活動に取り組んでいます。

 2つ目が、モバイルソリューションズ事業部です。簡単に言うと、レッツノートやタフブックなど、法人向けのパソコンの事業マーケティングです。こちらではプロモーションだけではなく、商品企画から営業戦略、サポートまで関与しています。

 そして3つ目が、IT・デジタル本部で、CX総括として従来の守りの情報システムから、顧客向けの体験向上やEX(従業員体験)の向上などを担当しているほか、Webなどのデジタル接点インフラも管轄しています。

―― さまざまな領域を担当されているんですね。現在3つの業務の比重はどのくらいですか。

 直轄部門と事業部がメインで、ITが2割程度ですね。そもそもBtoBマーケティングは、顧客理解から、商品やサービス開発、価値の提案、プロモーション、カスタマーサクセスなど、すべての領域に関わらなくてはいけません。そのため、どこかひとつの領域だけに集中するよりは、さまざまな部門を行ったり来たりするほうがいいと考えています。人、カルチャー、プロセス、システムどれも大事な要素です。

 たとえば、いくらプロモーションが素晴らしかったとしても商品の顧客への価値や便益がなければ本末転倒ですし、いくら良いブランディングをしてもカスタマーサクセス部門がお客さまからの問い合わせに真逆のことを答えたら、企業として一貫したマーケティング活動が実現できていないことになってしまいます。そのため全体を見た上で活動していく必要があるんです。
  
パナソニック コネクトの資料を基に編集部作成

―― 9月に開催する「B2Bアジェンダ2023」では、関口さん主導でターゲティングをテーマにしたラウンドテーブルディスカッションを行います。現在のBtoBマーケティングにおけるターゲット選定や解像度を高めるための課題と思うことを教えてください。

 BtoBマーケティングでは、昨今の書籍ではセールスマーケティングを中心に扱われることが多いですが、そもそもピンポイントの狭い領域を担う仕事ではありません。事業のあらゆる機能が連携して、あらゆる顧客接点を活用して、価値を提案し、それを訴求したり、顧客とのリレーションシップを深めたりすることまでドライブするなど幅広いです。また、これらすべてがブランディング活動につながるとも言えます。ターゲット顧客をあいまいなままで、個々の機能(企画、営業、マーケティング、CSなど)が価値の提案や訴求をしても、ほぼビジネスの成果は望めません。

 ターゲットを明確にせずに、また、我々の提供できそうな顧客への便益や独自性を明確にせず、How(マーケティング施策)に進むこと、特にピンポイントの施策を進むことにはとても危惧を持っています。仮定する顧客セグメントの構造分析(どの部門がエンドユーザでどの部門が選定者でどの部門が影響力を持つかなど)を行い、これらのターゲット社内の各部門できちんとアラインメントしておく必要があります。マーケティングのHow(とりわけある部分の領域)だけをピンポイントで集中して取り組んでも効果少なく、我々の会社全体が同じ方向を向いて、経営活動を行うことを主導することがマーケティングにも求められています。

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