B2Bアジェンダ2023特別企画

パナソニックで実践、BtoBマーケティングで顧客の「解像度」を高める方法【パナソニック コネクト 関口昭如氏】

 

ブループリントは仮説の塊、PDCAを回すことが肝


――パナソニック コネクトでも、実践されているターゲット選定の解像度を高めるワークショップの内容を教えてください。

 主に2つのワークショップがあります。ひとつが、N1ヒアリングを中心とした顧客理解を関係部署全員とおこなうものです。もうひとつが、ブループリントを使って、戦略と戦術の整合、とくに企画、マーケティング、営業、サポートを交えたアライメントの実施するワークショップです。

――「ブループリント」のワークショップを通して、どのようなスキルや学びを得ることができるのでしょうか。

 一番は、できてしまった商品でも、何が独自便益で誰向けにつくっている商品やサービスなのかなど、根本的なところが意外にきちんと議論されていないことがあるんですよね。解像度を高めることでその課題をクリアにし、常に顧客ファーストで関係者と議論することが必要だと思います。

 また、ブループリントでKPIやKGIも設定します。それらを回してみると、もちろん予想外のことが起きるんです。たとえば今日は何もなかったのに、来週になったら他社が同じ強み商品を出した、なんてことは普通にあると思います。つまり、常に3Cを見ながら、PDCAを回すことが重要なんです。社内での調整後に、しっかりとPDCAが回るような仕掛けになってるかどうかを確認することが肝なので、ブループリントはある意味仮説の塊と考えることが望ましいです。

 ブループリントがあることによって、その仮説が正しいかどうかを常にPDCAを回しながら方向をチェンジすることもできます。また、そもそもターゲットの部分が違うのではないかなど、それをきちんとフィードバックできるような仕組みになっているのかを確認するためにも、PDCAをしっかりと回すことが重要だと思います。ものによっては戦略の見直し、あるいは戦術の見直しは頻繁におこなっています。

――そのPDCAを回す仕組みや仕掛けで何かポイントはありますか。

 社内の中で調整する組織を形成するためにも、関係部署とコミュニケーションを取ることが非常に重要です。そのため、我々は「IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング・コミュニケーション)会議」を商品によってですが、だいたい2週間に1回ペースで行なっています。営業、サポート、SE、マーケティング、技術担当が集まって、そもそもブループリントの仮説通りになっているのかを、データと照らし合わせながらレビューしていく会議です。

――B2Bアジェンダ2023では、パナソニック コネクトで取り組まれている「ブループリント」のワークショップの内容をもとにラウンドテーブルを務めていただきます。最後に、参加する予定のB2Bマーケターに一言お願いします。

 やはりBtoBマーケティングは範囲が広いので、ピンポイントの狭い領域ではなく、全体の最適化や設計が非常に重要だと思います。それを設計した後に社内で合意形成し、きちんとPDCAを回すことが肝だと思うので、浜松で一緒にどう顧客の解像度を高めていけるか熱く議論していきたいです。よろしくお願いします。
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