マーケティング・Advanceコース「ザ・インサイト」 #03

「マーケターに人間理解が必要だ」と気付かされたハードシングス【富永朋信氏×鹿毛康司氏 スペシャル対談再掲載】

 

人間理解の大切さを知ることが一流マーケターへの第一歩


――2人はマーケティングに、人間理解が必要であると気がついたのは、いつ頃ですか。

富永 元々、人間が好きだったので、学生時代からなんとなく理解していました。しかし、「マーケティングと人間理解」が繋がったのは、西友に入社してからです。

 入社した当時、会社はやるべきことをやっているのに客数が増えないという状態でした。毎週月曜日の役員会で「なぜ数字が上がらないんだ」と、詰められる日々が続き、この問題を私が解決しなければいけないと切羽詰まったときに、どうしたら会社の魅力が顧客に伝わるのか、と本気で考えたんです。

鹿毛 私は40歳のときに起きた雪印の食中毒事件がきっかけです。それまでは、早稲田大学広告ゼミで広告を勉強して広告ができるようになり、30代前半でMBAを習得してビジネスができるようになりと、まさに公式に当てはめたら経営ができると大きな勘違いしていました。

 そんなとき、食中毒事件が発生し、私が事件対応の矢面に立ちましたが、突然の事態でどうしたらいいのか、わからないことばかりでした。社内では役員会からバッシングを受け、世の中にはメディアに顔出しで出演していたため、国民からもバッシングを受けてバッシングの嵐でした。

 その追い込まれた状況で、何をしたらいいのかと必死で考えたとき、今まで顧客をターゲットなどという言葉で理解していたつもりで、しっかりと人を見ていなかったと感じました。「顧客って、人間だったんだ」ということをつくづく思い知るきっかけになりました。

 富永さんも私も切羽詰まっている状況の中で、マーケティングについて本気で考えた経験がきっかけになっているんです。マーケティングにおいて、人間理解が自らの心の中でピタッと当てはまってからは、仕事がうまくいくようになってきたと感じています。

富永 もしかすると、私たちのここまでの話を聞くと、年長者のマウンティングに聞こえるかもしれませんが、そういうつもりはありません。私は、私たちが経験してきたような痛みを伴わない方法で「人間理解の大切さ」をマーケターに伝えたいという想いがあります。今回の塾は模擬的な形式ですので、実務を通すのに比べて穏やかに学べることは間違いありません。

鹿毛 この塾はポジティブなショック療法ですよね。私たちは世の中からのネガティブなショック療法で、マーケティングにおいて人間理解の必要性について気付けました。私の力だけではなく、外部の圧力があってはじめて覚醒しました。いや、覚醒することしか選択肢がありませんでした。やはりプレッシャーを受ける機会は必要で、20歳でも30歳でも年齢は関係ありません。ぜひ、この塾を一流のマーケターとして覚醒する契機にしてもらいたいですね。
    
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 今回、事前対談をした富永氏と鹿毛氏が講師を務めるマーケティング・Advanceコース「ザ・インサイト」では、キャリアのあるマーケターにとっても難しい「人間理解」について、誰もが理解できるように言語化し、座学だけでなく体験として理解できるカリキュラムが組まれています。

 顧客が本当に求めていることが的確に捉えることができていない人、深堀したい人、インサイトを理解しているつもりでマーケティング戦略を実践しているが成果が出ない人に向けてカリキュラムが組まれています。人間理解、インサイトの基礎であるWHY/WHAT/HOW、本当のインサイトを見つけ出す実践方法をそれぞれの講師から3日間に分けて伝授されます。

さらに詳しく知りたい方は、こちらの公式サイト よりご覧ください。
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