B2Bアジェンダ2023レポート #01

マーケティングのスキルは人事でも使える。みずほフィナンシャルグループ CPOが挑む変革【B2Bアジェンダ2023レポート】

 

ボトムアップで誕生したChief Culture Officer


阿部 ここまでの取り組みも含めて、銀行や証券会社の組織は、外部環境の変化に十分対応できそうでしょうか。

秋田 多少時間がかかるかもしれませんが、必ずできると考えています。みずほでは、2022年4月に社員参加型のワーキンググループが立ち上がりました。

熱意のある150人の社員が、「価値観・行動軸」「コミュニケーション変革」「業務スタイル変革」「主体的行動のサポート」 の4つのテーマについて、経営と半年間に渡って議論し、最終的な提言をまとめてくれました。

その中に、組織カルチャーを変えていくリーダーとしてChief Culture Officer(社内文化の責任者)を置き、その専担組織をつくってほしいという提言がありました。それが、現在の私の仕事であるCCuO(Chief Culture Officer)であり、私が所管するコーポレートカルチャー室となっています。

正直、カルチャーを変えることは一朝一夕にはできないので、これからが正念場です。一方で、私は2023年4月から全国47都道府県の拠点を回っているのですが、「変化を感じている」という社員からの声も多く耳にしています。

阿部 なるほど。Chief Culture Officerは、ボトムアップでできた役職なんですね。それはかなり珍しいですよね。

秋田 そうかもしれません。ただ、そこがみずほのいいところだと思います。みずほは、以前からいろいろな取り組みを行っています。たとえば、副業も2019年から認めているんです。表面的に認めていても、実例が少ない会社が多くありますが、みずほでは実際に600人以上が副業しています。そこで得たイノベーションの経験などをみずほに持ち込んで、変革を起こしてほしいからなんです。



阿部 なるほど。働き方の多様化でいえば、近年は女性マーケターも増加していますが、日本ではまだまだ性別によるキャリア格差があるのも事実です。秋田さんは、ご自身のキャリアでそれを感じたことはありますか。

秋田 それは、ありますね。正直、子どもが小さかった頃は、仕事に向かうエネルギーが、今と比較して60%ぐらいのときもありました。当時はそれが限界でしたが、上司から「君はもっとできるだろう」と言われ、やるせなさや悲しさを感じたことを鮮明に覚えています。また、夫の海外転勤に伴う休職を申し出たときに、「会社にそんな制度はない」と言われ、泣く泣く退職したこともあります。

前例がないのであれば、本人に寄り添い、ルールを変えていくことも検討するべきだと思うんです。実際、みずほではそういった多様性を受け入れる柔軟な空気が生まれていると感じています。

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