マーケティングのスキルは人事でも使える。みずほフィナンシャルグループ CPOが挑む変革【B2Bアジェンダ2023レポート】

 

マーケターの可能性は広い、さまざまな領域に踏み出してほしい

阿部　秋田さん自身についてもう少し伺いたいのですが、マーケティングのプロフェッショナルとして大事にしていることは何ですか。

秋田　マーケティングの大家であるフィリップ・コトラー教授は、現在「マーケティング5.0」を唱えているので、我々マーケターも同じようなスピードでアップデートしていかなければなりません。そのため、好奇心を持ち続けることが非常に大事だと思います。ときには、思いがけないインプットから新しいアイデアが生まれることもあります。

たとえば、私は可能な限り朝にウォーキングかランニングを30分するようにしています。そのときNewsPicksの番組やThe CMO Podcastを、自分が興味のない領域も含めて1.5倍速で聞いています。すると、全然興味がないはずが、ひらめきを与えてくれる情報に出会えたりするんです。

仕事上でいえば、「できない」と簡単に言うのではなく、「どうすればできるか」を考えることが大事だと思います。20年ほど前に、自分には難しいと思う仕事を任されたことがあります。そのとき、実現するためにはどうすればいいのか、何があればできるのかを考え、経験がない分野について学べる機会や協力者、リソースが欲しいと交渉したんです。幸運なことにその仕事は成功し、以降は仕事上のチャレンジを楽しめるようになりました。断るのではなく、どうすればできるかを考えて行動することで、絶対に仕事は面白くなると思います。

あとは、社内外問わず、出会った相手を大切にすることです。どのような相手に対しても、プロとしてよい関係性で仕事をすることで、何よりも将来の自分の財産になります。誰とどのように接し、どのように仕事をしてきたかということが20年後、30年後の自分をつくるのです。

阿部　本日お話しさせていただいて、秋田さんがいかに人間力の高い人かが分かりました。最後にマーケターにメッセージをいただけますか。

秋田　マーケティングの世界から一歩外に踏み出してみて、今回のタイトルである「広がるマーケターの可能性」は本当にその通りだと感じています。マーケティングのアプローチやマーケターの考え方は、何に対しても応用が効きます。今回、浜名湖に集まったB2Bマーケターのみなさんは、セッションの合間にすごく楽しそうに盛り上がってお話しされていましたよね。この活力が日本全体に広がれば、もっと日本企業は強くなれるのではと思います。

もちろんマーケティングの領域において、これからもっと活躍されると思いますが、みなさんの可能性はそこに閉じるだけではなく、他の領域でも活躍できる可能性を秘めています。私は、たまたま人事という領域に一歩踏み出してみましたが、みなさんもぜひそのパワーをフルに活かして、さまざまな領域で活躍し、日本全体を元気にしていってほしいと思います。

阿部　本日は、貴重なお話ありがとうございました。

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