B2Bアジェンダ2023レポート #02
ソフトバンク、旭化成のBtoBマーケターが語る、新しい組織構築と人材育成【B2Bアジェンダ2023レポート】
社内 イベントのクリエイティブをマーケターが生成AIで制作
東海林 デジタルマーケティングにおいては「データ」というキーワードがありました。もう1つ忘れてはいけないのが、生成AIの台頭です。これによってマーケターの価値がどう変わるのか、ぜひ相田さんから聞きたいと思います。
相田 新しいテクノロジーをBtoBマーケティングの活動に、どう取り込んでいくかは非常に重要です。ここでは我々ソフトバンクの具体的な事例を紹介します。
2023年10月に開催した「SoftBank World 2023」という年1回の法人向けイベントでは、キービジュアルとキーメッセージを生成AIを活用して作成しました。
キーメッセージでは、まずChatGPTを使って壁打ちを行い、648のアイデアを出しました。600を超えるキャッチコピー案を短時間で用意できるのも生成AIの凄さです。そこから予選2回、本選1回という選定プロセスも生成AIを活用しました。その後、9のアイデアまで絞った段階で80人の人間にアンケートを取って、「テクノロジーの新潮流。今、世界が動き出す。」というキャッチコピーに決まりました。
キービジュアルは、マイクロチップの集積回路の写真がモチーフになっています。この写真をもとに、生成AIと壁打ちしながらキービジュアルをつくっていきました。未来都市のようなものを表現したいという要望を生成AIに伝え、最終的にキューブ型のビジュアルが完成しました。ここに至るまでに約1200枚の画像が生成されています。
東海林 ありがとうございます。新時代のマーケターはデザイナーの役割も兼ねていますし、テクノロジーとの付き合い方も変わってきていますよね。石川さん、廣崎さんはいかがですか。
石川 旭化成では、最近ようやく生成AIを使い始めたところです。試しにChatGPTに「セールスフォースを全社に普及させるためにはどうすればいいですか?」と質問してみました。すると、現場の理解や教育などについて、もっともらしい5つのアイデアが出てきました。使い方によっては、参考になる情報を得られるかも知れません。
廣崎 ChatGPTなど生成AIはコピーライティングやデザインの領域が最も手を付けやすいですが、最近ではデータの正確な集積や分析に使うようなケースも出てきています。事例が次々と増えているので、私もキャッチアップを頑張っているところです。