B2Bアジェンダ2023レポート #03
Sansan、パーソル、マクニカのB2Bマーケターがセールスマーケで陥いる罠を赤裸々に語る【B2Bアジェンダ2023レポート】
セールスマーケティングの本質的価値
甲斐 次のテーマに移ります。セールスマーケティングは、営業企画から派生した機能であるため、どうしても目の前の数字の達成だけが目的になってしまうのではないかと思います。短期的にはそれは重要ですが、それだけになってしまうと今日話してきた顧客理解が進まないという問題は避けて通れないように思います。この点について、どのようにお考えでしょうか?
繁田 これは答えのない問題だと思います。「この人、これに困っているんだろうな」とわかったところで、それがいつまで続くのかわかりませんし、時期やタイミングによっても、解決できないことがあります。正直、そのはざまで悩みながら、やり続ける仕事なのではないかという気がします。
原田 KPIは経営として達成しなければならない一方、お客様の満足度は顧客解像度を高くサービス提供できているほうが高くなります。この両輪を回し続けることが理想ですが、現実的に実力が見合っていないメンバーが対応することになると、うまくいかないというのが現状だと思います。
木村 元々プロダクトマーケティングを担当していたこともあり、個人的には自分が扱っている商品・サービスのコアな価値を理解することを大事にしています。ITでわからない部分があればエンジニアに教えてもらいながら、理解したつもりにならないように気を付けています。顧客満足度は目に見えない価値なので、エンドユーザーの意見に耳を傾けたいと思っています。
甲斐 ありがとうございます。今回のセッションを総括すると、顧客接点を持つセールスマーケティング、その中でも特にインサイドセールスは、上流工程や下流工程に対して、フィードバックを行うことが重要な役割であると感じました。こちらに関してはいかがでしょうか?
繁田 原田さんが先ほどおっしゃった通り、数字と数字以外の部分の両輪をうまく回していけるような構造が重要だと思います。
原田 適切なフィードバックループがなければ、悪いことが経営層まで届かずに経営にとって大きなダメージを与えてしまうので、間違いなくフィードバックは重要ですね。そして、すべてマーケティングの話でありつつ、組織づくりの話でもあると考えました。組織として、どのようにフォローするのかということが大切だと思います。
木村 THE MODELは我々の目指すフローですが、まだまだできていない部分が多くあります。顧客解像度を上げるという作業は、インサイドセールスに限らず、すべての機能でやるべきで、全体から集めたデータでこそ一番よい価値提供ができると思います。そのような仕組みの1つがフィードバックなのかなと思いました。
甲斐 最後に、一言ずつお願いします。
繁田 私がこれだけは大事にしたいと思うのは「個性」や「その人らしさ」「パーソルらしさ」です。悩みもがきながら、引き続き頑張っていきたいと思います。
木村 顧客解像度を高めることは、様々なマーケティングの課題を解決することにつながると思います。皆さん、それぞれに成功体験や失敗体験があると思うので、その事例を共有しながらディスカッションができると嬉しいです。
原田 マーケティングの手法はいろいろありますが、最後に「人の力」と掛け合わせることなしに答えは出てこないと思います。これからも皆さんとディスカッションしながら、私自身もヒントを得ていきたいなと思います。
甲斐 本日は、改めて登壇いただきありがとうございました。
(左から)ユニファイド・サービス 甲斐博一氏、Sansan 原田京昌氏、マクニカ 木村智美氏、パーソルホールディングス 繁田佳典氏
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