リテールアジェンダ2023 #03
「リテールアジェンダ2023」が東京で開幕、メーカーとリテールは「呉越同舟」の精神で建設的な協業ができるか
変革の時代、リテールマーケターの突破口はどこにある?
2023年11月14日、リテール領域のマーケティングをテーマにしたカンファレンス「リテールアジェンダ2023(主催:ナノベーション)」が東京ポートシティ竹芝(東京・港区)で開幕され、会場は熱狂に包まれた。
初日のオープニングキーノートには、「とどのつまりリテーラーとメーカーは呉越同舟なのか?」というテーマで、ニューリテール Founder & CEOの飯田健作氏とネスレ日本 常務執行役員 デジタル&イーコマース本部長 兼 新規ビジネス開発部長の島川基氏がスピーカーとして登壇した。モデレーターはPreferred Networks SVP 最高マーケティング責任者の富永朋信氏が務めた。
ブランド構築を目指すメーカーと、店頭や価格を唯一無二の存在にしたいリテールは、しばしば相反する存在である。それぞれが異なる課題や悩みを抱える状況で、どうすれば消費者を起点として「呉越同舟」の精神で建設的な協業ができるのかを考えるセッションとなった。商品が差別化しにくい現代では、その商品だけが持つ独自のストーリーを消費者に伝えることがポイントであるとした上で、その情報を最適に届けられる場がリテールメディアであると語り合うなど、リテールとメーカーの新たな可能性について探る場になった。
(左から)Preferred Networks SVP 最高マーケティング責任者の富永朋信氏、ネスレ日本 常務執行役員 デジタル&イーコマース本部長 兼 新規ビジネス開発部長の島川基氏、ニューリテール Founder & CEOの飯田健作氏
また、スペシャルセッション#1では、「グッデイ、サツドラの地場リテールの可能性」と題し、グッデイ 代表取締役社長の柳瀬隆志氏とサツドラホールディングス 代表取締役社長の富山浩樹氏が登壇した。地場に根付いた企業だからこそできるコラボレーションや新たな価値提供のモデルづくりなど、日本の小売業にとって重要な「地域」にフォーカスしたセッションが展開された。
グッデイ 代表取締役社長の柳瀬隆志氏とサツドラホールディングス 代表取締役社長の富山浩樹氏
2日目(15日)には、2023年10月より新たにスターバックス コーヒー ジャパンのリテイル・マーケティング統括オフィサーに着任した森井久恵氏をスピーカーに迎えたセッションが行われる。日本上陸から28年を経た今もなお支持され続けるスターバックスのリテール戦略・ブランドの将来に向けた取り組みに迫る。
また、同日にはキンコーズ・ジャパン 代表取締役社長の渡辺浩基氏とβace 取締役COOの緒方恵氏とともにEX・CXを考えるセッションや、ドラッグストア市場のでシェア1位(2023年4月・ヘアケアブランドの合計販売金額)も獲得したI-ne独自のマーケティング戦略と成功事例を解き明かすセッションも行われる。
リテールアジェンダは、国内外のリテールとメーカーのマーケティング領域の責任者をつなぐネットワーキングの場をつくることを目的としている。今年のテーマは「拡張性~Redefining Retail~」となる。リテール事業者が商品・サービスの販売だけでない価値提供が求められる環境を踏まえて、その存在価値を再定義し、リテールのマーケターが自社の「拡張性」を見つめ直し、「~Redefining Retail~(再定義)」するための方法の習得を目指している。
リテールアジェンダ2023 公式サイトは、こちら