マーケティングアジェンダ東京2023
「マーケティングアジェンダ東京2023」「ライジングアジェンダ2023」が盛況のうちに閉幕、次回は3月の「ダイレクトアジェンダ」
2023/12/14
「マーケティングアジェンダ東京2023」2日間にわたり開催
2023年12月7日から8日にかけて、日本最高峰のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ東京2023(主催:ナノベーション)」がベルサール渋谷ファースト(東京・渋谷区)で開催され、盛況のうちに幕を閉じた。その前日には、35歳以下の次世代を担うマーケターが一堂に会するカンファレンス「ライジングアジェンダ 2023(主催:ナノベーション)」が開催された。
どちらのカンファレンスも「アイデアの発見」をテーマに、さまざまなセッションやディスカッションが実施された。マーケターの頭の中にあるアイデアを成長させ、新たな戦略や企画を生み出していく思考方法を身につけていく場を目指した。
マーケティングアジェンダ東京2023の初日のオープニングキーノートには、「50歳で社内転職した冷凍食品ビジネスでの成功と失敗」と題し、味の素 執行役常務の岡本達也氏がスピーカーとして登壇し、Preferred Networks / SVP 最高マーケティング責任者の富永朋信氏がモデレーターを務めた。
本セッションで登壇した岡本氏は、これまで味の素で数々のヒット商品における開発・販売戦略などのマーケティング業務に従事し、2023年4月にマーケティングデザインセンターを設立し、センター長として味の素のマーケティングプロセスの組織改革を推進している。
今回は、同氏が立ち上げた「ザ★®︎チャーハン」の成功と「旬の果実のグラノラ」の失敗の経験から学んだことをもとに、アイデアがうまくいったときの思考として、何度も打席に立って挑戦することが重要であると語られた。
キーノート#2では、「リテール×ITで躍進するYogiboの強さの根源」というテーマで、Yogibo 取締役/CFOの小猿雄一氏がスピーカーとして登壇しと、JTB 執行役員 ブランディング・マーケティング担当(CMO)の風口悦子氏がモデレーターとして登壇した。Yogiboは、「ストレスの無い社会を実現する」というミッションのもと、さまざまなユニークなプロモーションや社会貢献の活動を行なっている。セッションでは「店舗は販売することよりもお客さまに商品を体験してもらうことに重点を置き、その体験によって結果的にECでの売上が伸びている」などと語った。
2日目のキーノート#3では、「激戦のコーヒー市場の中にあったコナズ珈琲のアイデア発見とは?」というテーマで、KONA’S 代表取締役社長の阿部和剛氏と、はなまる 企画本部 チーフマーケティングオフィサー(CMO)の髙口裕之氏が登壇した。「いちばん近いハワイの食卓」というコンセプトをもとに、店舗のオペレーションなどの効率化よりも、常にお客さまの「KANDO(感動)」を優先しした体験価値を提供することで、高い収益モデルを確立できているコナズ珈琲のアイデアが紹介された。
また、最後のスペシャルセッションでは、「VTuberの世界。新たなビジネスの可能性を探る」というテーマで、世界中から人気を集めるVTuber事務所「ホロライブプロダクション」の創業者であるカバー 代表取締役社長CEOの谷郷元昭氏、VTuberの選定やライブ配信のアサイン、企画も含めた全体戦略から実行までトータルサポートするFinT 代表取締役の大槻祐依氏、戦略PRや広報のプロである東京片岡英彦事務所 代表取締役の片岡英彦氏が登壇した。
本セッションでは、「VTuberとは何か」、「VTuberをマーケティングに活用する価値」などを紹介した上で、実際にプロモーションとして活用されている事例をもとに議論が行われた。VTuberの一番の特徴は「熱量の高いファンコミュニティ」でライブ配信やUGCの発信など、若年層を中心に購買や発話の促進が期待できる点が語られた。
次世代を担う若手マーケターが「個」を高めるカンファレンスが2度目の開催
前日の12月6日には、次世代を担うマーケターが一堂に会するカンファレンス「ライジングアジェンダ 2023(主催:ナノベーション)」が開催された。参加者に35歳以下という年齢の目安を設け、昨年同様に未来を担う若手マーケターが会場(ベルサール渋谷ファースト)に集結し、熱狂に包まれた。
キーノートでは、オルビス 代表取締役社長の小林琢磨氏をスピーカーに迎え、花王 DX戦略部門 事業DX推進センター データドリブンMK推進室の廣澤祐氏がモデレーターを務めた。
本セッションでは、小林氏がオルビスで改革とリブランディングをしてきた事例を中心に、どのような危機意識があったのか、多くの課題がある中でどこを重要な問題と見極めたのか、そのためには必要な能力は何かなどが語られた。小林氏は、リブランディングが必要なときは組織としての「構造改革」が必要なときであり、顧客と社内の両側面から変革を行う必要があるとした。最後には、会場に集まる若手マーケターに向けて、仕事に「信念」を持って取り組むことの重要性を伝えてセッションを終えた。
ライジングアジェンダ、マーケティングアジェンダ東京ともに、マーケターがそれぞれの業界の取り組みや課題解決に向けた方法を集中的にディスカッションし、刺激し合うことで、仕事に役立つネットワークを深化させていく場になった。ブランド企業同士のコラボレーションやパートナー企業とのビジネスマッチングも行われ、盛況のうちに閉幕した。
ナノベーションが主催する次のカンファレンスは、2024年3月に直販・通販事業に携わるトップマーケターが集結するカンファレンス「ダイレクトアジェンダ2024(主催:ナノベーション)」になる。鹿児島県鹿児島市(城山ホテル鹿児島)で開催される。