ダイレクトアジェンダ2024座談会 #02
生成AI、物流、ライフスタンス…ダイレクトマーケの最新キーワードを徹底議論【ダイレクトアジェンダ座談会】
2024/02/20
AIはマーケターの仕事を奪うか?
西井 環境が変わっても適応することが大事だと思います。ただ、生成AIの影響で、5年後くらいには仕事のあり方が大きく変わると思います。たとえばマーケティングについては、「適当な戦略」をAIに聞けば、なかなかいい感じの答えが返ってきますし、こういう視点があったかという気づきも得られます。本質的な価値をつくることができない、オペレーションに依存しているマーケティング人材は、かなり淘汰される可能性があります。
シンクロ 代表取締役社長
西井 敏恭 氏
1975年福井県生まれ。2年半にわたる世界一周の旅行記を更新したWebサイトが人気となり、帰国後、旅の本を出版、EC企業にてデジタルマーケティングに取り組む。二度目の世界一周の旅をしたのち、2016年にシンクロを設立。大手通販・スタートアップなど多くの企業のマーケティング支援やデジタル事業の協業・推進を行うほか、複数企業の取締役を兼任する。その傍ら旅を続け、訪問した国は150カ国近く。 全国のマーケティングイベントやビジネスフォーラムでの講演、雑誌・新聞・テレビなどメディア掲載多数。
西井 敏恭 氏
1975年福井県生まれ。2年半にわたる世界一周の旅行記を更新したWebサイトが人気となり、帰国後、旅の本を出版、EC企業にてデジタルマーケティングに取り組む。二度目の世界一周の旅をしたのち、2016年にシンクロを設立。大手通販・スタートアップなど多くの企業のマーケティング支援やデジタル事業の協業・推進を行うほか、複数企業の取締役を兼任する。その傍ら旅を続け、訪問した国は150カ国近く。 全国のマーケティングイベントやビジネスフォーラムでの講演、雑誌・新聞・テレビなどメディア掲載多数。
かつて、Webマーケティングではリスティング広告(検索エンジンで特定のキーワード検索結果に連動して表示される広告)の運用ができる人材が非常に重宝されましたが、今ではその技術はAIに置き換わり、スキルとしてはクリエイティブの重要性が増していると感じますし、どの業界よりもAIによる業務の置き換えをいち早く経験しています。
今回、AIの登場で働き方は大きく変わる。早めに社内で対策を打たなければいけませんが、既得権益を奪われそうになれば反対の声が上がりがちです。しかし、人口が減る中で当然、利益額を伸ばさなければ事業は続かなくなります。人材のカットではなく、別のスキルに切り替えることを、企業のリーダーが率先して早急に取り組まなければなりません。
志賀 クリエイティブの領域まで生成AIが入ってきたのは大きいですよね。
西井 本当に大きいです。現段階では、自社の商品を本当に理解して落とし込んでいるクリエイティブならばAIを上回れると思いますが、それでも単純なリサイズなど組み合わせで「それっぽく」見せるのはAIの得意領域。置き換えられるものは早めに置き換える、見極めが重要だと思っています。
伊藤 物流、生成AI、クッキー規制など、取り組まなければならない課題はたくさんありますが、I-ne の場合、最大の課題は人材です。逆境を乗り越えられるプレイヤーが少なく、実力のある社員に業務が集中して、もっと本質的な仕事に時間を割けないという事態が起きています。経営者人材やトップマーケターの育成が、これら複合的な課題解決に直結すると思うので、2024年は人材育成にコストをかけてやっていきます。
I-ne 執行役員/CSO
伊藤 翔哉 氏
2011年入社。Eコマースとデジタル上におけるブランド戦略に注力し、広告、マーケティングも兼任。オンラインで認知を獲得して実績を上げて、ドラッグストア等のオフライン販売網に拡大展開する、オンライン起点でのビジネスモデルの構築に尽力。2017年取締役 兼 販売事業本部本部長代理、及び株式会社VUEN(現・株式会社Dr.SYUWAN) 代表取締役就任。2022年1月執行役員兼デジタルマーケティング本部本部長就任。2023年4月より、艾恩伊(上海)化粧品有限公司 董事就任。2024年1月執行役員 CSO(Chief Sales Officer)及び株式会社Endeavour代表取締役就任。
伊藤 翔哉 氏
2011年入社。Eコマースとデジタル上におけるブランド戦略に注力し、広告、マーケティングも兼任。オンラインで認知を獲得して実績を上げて、ドラッグストア等のオフライン販売網に拡大展開する、オンライン起点でのビジネスモデルの構築に尽力。2017年取締役 兼 販売事業本部本部長代理、及び株式会社VUEN(現・株式会社Dr.SYUWAN) 代表取締役就任。2022年1月執行役員兼デジタルマーケティング本部本部長就任。2023年4月より、艾恩伊(上海)化粧品有限公司 董事就任。2024年1月執行役員 CSO(Chief Sales Officer)及び株式会社Endeavour代表取締役就任。
志賀 AIの社会貢献は、人の仕事を奪うのではなく、人の生産性を上げることです。能力のある人のコピーロボットみたいな存在が出てくると、「マーケター不要説」は現実味を増します。生産性を上げると同時に、人間の能力もどれだけあげられるか。ここ数年の、AIとの共創における見どころではないでしょうか。
西井 私としては、AIによって人間によるマーケティングやオペレーションの仕事が無くなるとしても、その分、事業をきちんとつくることに向き合えるから、嬉しいくらいです。大事なのは自分のスキルを常に変えていくマインドを持っていることです。そうでなければ危険だと思います。
これからの時代、どういう人材が必要なのか考えると、さきほど伊藤さんが「逆境を乗り越えられるプレーヤー」とおっしゃっていましたが、それはつまり、スキルは変わっていくけれど、大事な「何か」をぶれずに持っている人材を育成する必要があるということです。
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