あなたのクリエイティブ・ジャンプは何ですか?~ネプラス・ユー京都2024 特別企画~ #01
生き残るために、谷底へ飛び込む勇気と準備を【ネプラス・ユー京都2024特別寄稿:近畿大 世耕石弘】
2024年5月20日から21日にかけて、全国のマーケターが京都で一堂に会するカンファレンス「ネプラス・ユー京都2024(主催:ナノベーション)」。関西をはじめとして国内外で活躍するトップマーケターがカウンシルメンバーを務め、有益なアイデアの共創やネットワーキングを実現するための魅力的なプログラム構築を進めている。
本カンファレンスの全体テーマは「クリエイティブ・ジャンプ」。アートとサイエンスを突き詰めて、最終的な売上や集客を爆発的に押し上げるクリエイティブ・ジャンプとは、一体何なのか?生成AIなどによる優れたクリエイティブも台頭するなか、どのようにして実現できるのか?
今回は特別企画としてカウンシルメンバーが「あなたのクリエイティブ・ジャンプは何ですか?」と題して寄稿。第1回では、「近大マグロ」など破壊的な広告戦略で注目を集め、一般入試志願者数全国1位を誇る近畿大学 経営戦略本部本部長の世耕石弘氏に、自らの考える「クリエイティブ・ジャンプ」と、その裏に秘めた思いを寄せてもらった。
本カンファレンスの全体テーマは「クリエイティブ・ジャンプ」。アートとサイエンスを突き詰めて、最終的な売上や集客を爆発的に押し上げるクリエイティブ・ジャンプとは、一体何なのか?生成AIなどによる優れたクリエイティブも台頭するなか、どのようにして実現できるのか?
今回は特別企画としてカウンシルメンバーが「あなたのクリエイティブ・ジャンプは何ですか?」と題して寄稿。第1回では、「近大マグロ」など破壊的な広告戦略で注目を集め、一般入試志願者数全国1位を誇る近畿大学 経営戦略本部本部長の世耕石弘氏に、自らの考える「クリエイティブ・ジャンプ」と、その裏に秘めた思いを寄せてもらった。
昨年の「ネプラス・ユー大阪2023」でネットワーキングする参加者。昨年は「現場力」をテーマに熱い議論が交わされた
古い価値観へのチャレンジ、クリエイティブで示す
世耕 石弘 氏
学校法人近畿大学 経営戦略本部/本部長
奈良県出身。大学を卒業後、1992年近畿日本鉄道株式会社に入社。以降、ホテル事業、海外派遣、広報担当を経て、2007年に近畿大学に奉職。入試広報課長、入学センター事務長、広報部長、総務部長を歴任。2020年4月から広報室を配下に置く経営戦略本部長となり、現在に至る。
学校法人近畿大学 経営戦略本部/本部長
奈良県出身。大学を卒業後、1992年近畿日本鉄道株式会社に入社。以降、ホテル事業、海外派遣、広報担当を経て、2007年に近畿大学に奉職。入試広報課長、入学センター事務長、広報部長、総務部長を歴任。2020年4月から広報室を配下に置く経営戦略本部長となり、現在に至る。
私は前職の私鉄の広報担当から大学に転職し、以降20年以上にわたり「広報」という仕事に携わってきました。情報発信を通じて大学の知名度やブランド力を向上させ、組織を変革することを目指し、さまざまな取り組みを行ってきました。それなりにチャレンジはしてきましたが、「クリエイティブ・ジャンプ」などという考えは、意識したことがありませんでした。ただ、ネット検索して意味を調べた限りでは、自分がこれまで行ってきたことに近いものがあると思いました。
大学界では、古くは100年前から、新しくても50年前ほどの価値観が、いまだに、ほぼすべての受験生の考え方を支配しているように感じられます。つまり、旧帝大や早慶・MARCH・関関同立など偏差値の高い大学を目指すということです。これらの大学を否定するつもりはありませんが、近畿大学のような歴史の浅い大学が、急速に進む少子化の時代に生き残るためには、これらの価値観に屈するのではなく、果敢にチャレンジする姿勢を示す必要がありました。
今やすべての大学が少子化への危機感を抱き、広報活動に力を入れるようになりましたが、そのクリエイティブはたいていが、「賢そう」「真面目そう」「上品そう」といったもので、本来の、その大学独自の魅力を十分に伝えきれていません。
また、近畿大学のメインキャンパスがある大阪は、京都や神戸のように地域ブランド力の強い都市に近接しています。そのため、まずは「大阪の大学」としての近畿大学を前面に出すことにしました。それには大阪の特性を生かしたクリエイティブが必要でしたが、これはなかなか勇気のいることでした。
大阪は庶民の街であり、京都ほど歴史や文化を強調できず、神戸ほどのオシャレ感もありません。そこで、本来の大阪の魅力である「おもろい」を活かしたクリエイティブを発信しようとしましたが、これが「最高学府」である大学界では想像以上に難しく、苦難の道のりでした。
広告賞を狙ってクリエイティブに積極的に取り組み、一方では批判から身を守るための準備を徐々に整え、たとえ批判の的になっても、真剣に「おもろい」クリエイティブを戦略的に発信するための環境を整えました。その結果が旧来の「大学」のイメージを根底から覆すような「近大マグロ」の広告や、新たな起業支援プログラム「KINCUBA」のプロモーションなど、一連のコミュニケーション戦略につながっています。
クリエイティブには受け手に必ず、好き嫌いがあります。時には炎上のリスクもあります。しかし、それを恐れずにジャンプするには”勇気”が必要です。それは高所恐怖症の人がバンジージャンプするのと同じくらいの”勇気”が必要です。
皆さん、躊躇している場合ではありません。一緒に谷底に飛び込みましょう。大丈夫、ちゃんとロープは付いています。
ネプラス・ユー京都2024 開催概要
- 名称
- Ne Plus U 京都 2024(ネプラス・ユー 京都 2024)
- 日時
- 2024年5月20日(月) - 21日(火) *2DAYS
- 会場
- 京都テルサ テルサホール
〒601-8047
京都府京都市南区東九条下殿田町70 JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分 - 参加方法
- ブランド(2DAY):無料(事前審査制)
ブランド(ワンデイ):無料(事前審査制)
プレミアムブランド枠:100,000円(税込110,000円)
パートナー枠:250,000円(税込275,000円) - 定員
- 250名
- ハッシュタグ
- #NPU24
- 主催
- 株式会社ナノベーション
- 特別協力
- アジェンダノート(Agenda note)