あなたのクリエイティブ・ジャンプは何ですか?~ネプラス・ユー京都2024 特別企画~ #10
八天堂のくりーむパンはなぜ駅ナカで人気なのか?森光孝雅代表が語る「一点突破・全面展開」のクリエイティブ・ジャンプ【ネプラス・ユー京都2024特別企画】
「危機感の塊」からピンチをチャンスに
―― 八天堂はその後、東京や大阪など都市部の主要駅で常設店舗を展開し、定着しているように見受けられますが、駅ナカは競争が厳しいのではないですか。
おっしゃる通り、駅ナカの競争は熾烈です。同じ企業でも業態や屋号を変えたりして、激しく入れ替わっています。私も「危機感の塊」で、新たな戦略を常に考えています。さまざまな企業とのアライアンスやコラボレーションはしてきたのですが、もっと「くりーむパン」そのものを掘り下げることも構想しています。具体的には実演販売、いわゆる「シズル感」の演出です。今は袋に入れた状態で販売していますが、お客さまにその場でクリームを選んでいただいて、出来立てをお渡しするといった体験価値を付加価値とできるような新しい業態を今後提供できればと考えています。
―― 駅ナカ店舗をメインとする中、コロナ禍で人流が途絶えた際はどのように立ち向かったのですか。
コロナ禍では駅ナカの売上が激減したため、それまではどちらかといえば、細々とやっていたに過ぎなかったECや卸事業において、思いっきりアクセルを踏まざるを得ませんでした。そうしないと持ち堪えられませんでしたから。
ECは自社のオンラインストアだけでなく、モール型サイトの他、ギフト等の企画でカタログに掲載してもらうBtoBの売り込みを積極的に行いました。テレビショッピングでも紹介していただき販路を拡げました。
全国のスーパーさんやコンビニさんにも卸しました。この販売量はとてつもない規模ですから、コロナ禍の3年半ほどの間に、売上全体はコロナ禍以前の倍ほどに伸びました。
DXには関心を持っており、オウンドメディアのようなものもできればと思っています。ここから実現したいのは「ファンづくり」です。ファンというのは、普通の時だけでなく、大変な時にこそ応援してくださる存在です。
コロナ禍では実店舗が大きな打撃を受けましたが、さまざまな点で新たな事業展開の契機になりました。DXを通じて、お客さまとの丁寧なコミュニケーションやファンづくりを推進していきたいですね。
―― 倒産危機やコロナ禍などのピンチをチャンスに変えて、成長してきたのが印象的です。最後に「クリエイティブ・ジャンプ」を生み出すための秘訣を教えてください。
中小企業はリソースが限られているので、大企業のように「面」で勝負するのは難しいところがあります。経験上、私は「一点突破の全面展開」が有効だと思っており、社員に対しても、アイデアが行き詰まったらまずは得意なところで突破してみるよう、声を掛けています。「一点」というのもニッチにこだわることが重要だと感じます。競合がひしめく市場に中小企業が打って出るためには、世の中にないものを探していくというのが大切です。
一つ突破したら、次は二つ三つと広げていく。「くりーむパン」事業も、一本だけだと「綱渡り」ですが、ECやカフェ、海外展開、新業態の展開や動画施策などさまざまな事業によって綱を増やし、道を広げようとしています。人手不足の農業者と就労場所を探す人をマッチングさせる「農福連携」もその一つです。「くりーむパン」のその先に「食のイノベーションを通した人づくり」というパーパス実現を目指し、広島から東京、東京から全国、世界へと広げていきます。
―― 「くりーむパン」というニッチな市場から可能性は無限に広がっていくのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
クリエイティブ・ジャンプにつながるアイデアが結集
5月20日、21日に京都で開催される「ネプラス・ユー京都2024」にはクリエイティブなアイデアを実行して成果に結び付けるスピーカーや、全国のマーケターが多数集結する。バラエティーに富んだ施策や思考法から多彩なインスピレーションを得て、ビジネスの成果へとつなげる機会にしてほしい。
ネプラス・ユー京都2024 開催概要
- 名称
- Ne Plus U 京都 2024(ネプラス・ユー 京都 2024)
- 日時
- 2024年5月20日(月) - 21日(火) *2DAYS
- 会場
- 京都テルサ テルサホール
〒601-8047
京都府京都市南区東九条下殿田町70 JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分 - 参加方法
- ブランド(2DAY):無料(事前審査制)
ブランド(ワンデイ):無料(事前審査制)
プレミアムブランド枠:100,000円(税込110,000円)
パートナー枠:250,000円(税込275,000円) - 定員
- 250名
- ハッシュタグ
- #NPU24
- 主催
- 株式会社ナノベーション
- 特別協力
- アジェンダノート(Agenda note)