ダイレクトアジェンダ2024 #09
I-ne、mederi、Pocochaが語る「顧客視点」で実行する体験価値向上の秘訣【ダイレクトアジェンダ2024レポート】
2024/05/16
この先3年間で直面するイノベーションとは
西井 それでは、このセッションの最後の締めに入ります。いまから3年間で起こるイノベーションについてのお考えを、伊藤さんから順番に伺ってもよろしいですか。
伊藤 やはり、これからは世界基準の考え方が重要だと思います。いままでは、日本で売れたものを台湾や中国に売り出してみようという考え方をしていましたが、2024年のインバウンドの訪日客もコロナ前より増えているという過熱感もあります。ですので、次にブランドをつくるときは、まずアジア全体でどういったブランドがウケるかを知ることが重要だと考えています。
以前、欧米でインフルエンサーマーケティングの依頼をしたときに、どんな想いでそのブランドをつくったのか語ってくれと言われたんですよ。ここまでやって共感を生まないと、広告すら出せないんだと思ったのが印象的でした。この経験も考え方をより世界基準にしていかなければならないなと思ったきっかけです。
西井 ただ売り場として海外に出ていくだけではなくて、もっと手前のところから世界基準にしていく必要があるると言うことですね。坂梨さんはいかがですか。
坂梨 ユーザーさんにとって、透明性や信頼は今後もより大切になっていくんだろうなと感じています。現在はオンラインでの顧客接点が中心ですが、オフラインでどのようにユーザーさんと接点をもって信頼を得ていくか、というところを大切にしていきたいと思います。やはり病院での対面診療が安心感をもたらすことがあるので、今後病院とも連携をしていかなければいけないというのは、ここ最近で感じていることです。
西井 もしかするといろいろなところと連携することもあるかもしれないということですね。では、最後に村口さんお願いします。
村口 ユーザーさんの、商品の使い方に対する大きな価値観の変化が来るかなと思っています。広告や宣伝を通じて企業のメッセージをユーザーさんが受け取る中で、継続して使ってもらうLTV(顧客生涯価値)についてみなさん考えると思いますが、その商品を使ってもらい商品のことをネタにして人に話すコンテンツまでつくってもらうところまでは、なかなか考えづらいと思うんです。
そこでPocochaでは、そのような流れを誘発するプラットフォームの仕組みをつくっています。たとえばコミュニティで商品を紹介したときにその商品の感想を言い合ったり、その商品の使い方を紹介したりということです。ここで「共体験」という体験価値をどうすれば生み出せるか考えています。企業としても、商品を売ることをゴールにするだけではなく、その使い方や体験の仕方、そして人への広め方まで含めて設計していく時代が来るのではないかと思います。
西井 小さなコミュニティをたくさんつくるという考えが、実はいまの時代に非常に大事なことかなと思いました。伊藤さん、坂梨さん、村口さん、本日はありがとうございました。
- 他の連載記事:
- ダイレクトアジェンダ2024 の記事一覧
- 1
- 2