ダイレクトアジェンダ2024 #07

中川政七商店会長が語る、究極のブランディングの先にある「ライフスタンス」【ダイレクトアジェンダ2024レポート】

 

マーケティングとブランディングの比率は「0:10」


西井 最後に、いくつか質問させてください。参加者はマーケティングの話を聞きに来ている人がほとんどですが、ブランドの指標が可視化されやすくなった時代で、中川さんはどういったとこを見ているのでしょうか。

中川 我々として、本当はお客さまの頭の中を覗きたいわけです。ただ、当然覗くことはできないので、その結果である何らかの行動を見るしかありません。それを購買だけで捉えると、すごく狭い領域しか見れていないと思います。HPやSNSなどを含めて、ありとあらゆるお客さまの行動を頭の中で推察したいと考えています。

それを実行する場合には、確かにCRMやMAツールになるのですが、プロダクトの思想や設計がマーケティングによっているので、自分たちで独自のシステムを構築しています。
  

西井 なるほど、ありがとうございます。最後にもうひとつだけです。前年比120%近くで成長し続けることは、とんでもない成長を続けていると思います。その反面、マーケティングとブランディングの比率などは、どのくらいで取り組まれてきたのかを参考までに教えてください。

中川 社内の意識としてはマーケティングとブランディングの比率は、「0:10」ですね。

西井 では、マーケティングに関してはほぼ考えていないんですか。

中川 社内で「マーケティング」というと、魔女狩りのように、「我々はそのような会社ではないですよ」と言われます(笑)。

西井 それはすごいですね(笑)。ただ、メールやCRMにも取り組んでいると思いますが、そこからの購入がゴールになっていないということですよね。

中川 そうですね。マーケティングか、ブランディングかという議論で、上位概念がどちらかということだけだと思います。

西井 はい、お話し聞いていてそうなのかなと感じていました。今回は、ダイレクトマーケティングの文脈から、ブランドを少し違った視点で見て、現代でやらなければならないことを考えるきっかけになるお話だったと思います。中川さん、本日はありがとうございました。
  
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