マーケティングアジェンダ2024 #10

電通デジタルが「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ powered by AID-DCC」でグランプリを獲得、有楽製菓「ブラックサンダー」のアイデア創出

 

「遊び心」を持った電通デジタルの企画がグランプリ


 厳正な審査の結果、グランプリ1作品、準グランプリ2作品、アテンディー賞(会場の参加者により選出された賞)1作品が選出された。グランプリに輝いた電通デジタルは、ブラックサンダーがこれまで行ってきたプロモーション施策では、圧倒的な「遊び心」を持っていると分析。企画を考える自分たちも「遊び心」を持って企画を考え、ブラックサンダーの断面図に注目したアイデアを提案した。

 電通デジタルの萩原氏は、「私たちがこの期間に日本で一番ブラックサンダーを食べたのではないかと自負しています(笑)。このような賞をいただけて嬉しいです。ありがとうございます」と喜びのコメントを寄せた。香月氏は、「非常に楽しんで企画を考えました。ペアの萩原さんの部屋がブラックサンダーまみれで少し大変でした(笑)。今後も全力で取り組んでいきたいです」とコメントした。

 準グランプリには、GMO NIKKO プランナーの熊谷瑛芳氏とアートディレクターの加藤瑶子氏のチーム、カヤック デザイナー アートディレクターの重見果歩氏とセプテーニ クリエイティブディレクターの飯島夢氏の合同チームが選ばれた。

 また、今年よりマーケティングアジェンダに参加している参加者により選出される形でアテンディー賞も発表され、グランプリにも輝いた電通デジタルが選ばれた。
  
(左から)GMO NIKKO プランナーの熊谷瑛芳氏、アートディレクターの加藤瑶子氏、カヤック デザイナー、アートディレクターの重見果歩氏、セプテーニ クリエイティブディレクターの飯島夢氏(※カヤックとセプテーニは合同チーム)

 今年のヤング・クリエイティブ・アジェンダ powered by AID-DCCの総括として、審査アドバイザーである電通の川腰氏は「ブラックサンダーを食べたくなるか、買いたくなるかという視点や、キャンペーンとして話題化するか、突っ込みたくなるかなど、ひとりのユーザーとして参加してみたいかどうかも非常に重要だと感じていました。また、ブラックサンダーという商品特性を考慮したときに、ポジティブなアプローチで表現されていた企画が評価されていた印象です。今回は受賞されなかったチームの作品も、本当に僅差で素晴らしかったです」と、コメントした。

 審査員長を務めたリクルートの萩原氏は「ブラックサンダーの商品特性を見せつつ、明るく楽しいコミュニケーションを評価しました。社会や長期的な課題を見据えたチャレンジングな提案もあり悩みましたが、これからも軽妙でブラックサンダーらしいコミュニケーションを続けていくべきではないかと審査員たちで議論しました。グランプリのチームは実際に食べたくなる、商品に手を伸ばしたくなる仕組みが非常に優れていました」と、全体の総括のコメントをした。

 また、萩原氏と他の審査員はグランプリ、準グランプリ、アテンディー賞に輝くことのできなかった若手クリエイターも短期間で努力されたことを心から称賛し、会場は大きな拍手で包まれた。
  
ヤング・クリエイティブ・アジェンダ powered by AID-DCCの審査員長を務めたリクルートの萩原氏

 ヤング・クリエイティブ・アジェンダは、ブランド企業のマーケターが審査を行うことから、単にアイデアの面白さだけでなく、ビジネスとして成功するために実現可能かどうかという視点を中心に評価、審査を行なっている。そのため、若手クリエイターは戦略性や実現可能性など、マーケティング視点を考慮した上でアイデアを企画することが求められた。

 普段あまり出会うことのないクリエイターとマーケターが出会う場として、マーケティングアジェンダ初日の夜に開催された参加クリエイターと審査員限定のキックオフイベントや、最終日の夜に開催されたネットワーキングパーティでは、今後の仕事にもつながる貴重な機会となった。また参加した若手クリエイターからだけでなく、マーケティングアジェンダの参加者からも高い評価を受けたプログラムのひとつとなった。
  
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