ライジングキャンプ2024レポート #02

トリドールCMO南雲克明氏が語る「感動体験の追求」に必要な戦略的思考とは?【ライジングキャンプ2024レポート】

 

学生時代のテニスで培った戦略的思考力


廣澤 感動体験の追求にあたり、南雲さんの戦略的思考は、どのような経験から身についたのでしょうか。

南雲 個人の話で言えば、2つあります。ひとつ目は、私が学生時代にテニスをしていたときの経験です。私は背丈もパワーも平均的で、試合で200キロのサーブを打つような選手と対戦するときに、どうすれば勝てるのかを考えざるを得ませんでした。

学生時代には、ノートにテニスコートを書いて、どこにサーブを打てば、どう返ってくるか、その後はどう動けばよいのかをイメージトレーニングとしてずっと取り組んでいました。このときから、戦術を含めて戦略的に考える癖がつきました。

もうひとつは、実践経験です。経験が豊富な人は、どこまでやれば勝てるのか、どこを捨ててもいいかなど、そういった取捨選択のポイントを見極められます。若いうちに多くの実践経験を積んで、さまざまな失敗を経験しておいたほうが将来の力になると思います。



廣澤 インプットも重要ですが、アウトプットするために、まずは打席に立って挑戦することが重要なんですね。先ほどのインサイトを見つける力は、どのように育んでいけばいいのでしょうか。

南雲 自分自身が消費者として、「こういうものが欲しい」という感性を大事に磨いています。あとは、お客様をよく見ています。丸亀製麺でいうと、店舗を回ってお客さまが食べている瞬間や、そこでの会話を観察しています。

加えて、お客さまを対象としたデプスインタビューやグループインタビューで得たデータも、単に数字としての結果を見るだけでなく、実際のところはこうではないか、と表面には現れていない本質や裏付けとなる根拠を探るようにしています。

廣澤 非常に重要な視点だと思います。

※第3回 「スピードを磨くと、必ず自分の成果に返ってくる」トリドールCMO南雲克明氏が大事にする原則【ライジングキャンプ2024レポート】 に続く
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