B2Bアジェンダ2024レポート #01
新時代のB2Bマーケターの役割とアクションを徹底議論【B2Bアジェンダ2024レポート】
役員・幹部がマーケティングについて議論し注力領域を決断
東海林 NTTコミュニケーションズの徳田さんはいかがですか。
徳田 NTTコミュニケーションズは、もともと電話やネットワークサービスを提供する会社でした。そこからITベンダーになり、ソリューションやセキュリティ領域にも事業を拡大してきたという経緯があります。そのため、テクノロジー企業として事業に向き合うスピリットを変える必要があり、顧客がITに期待していることが次々と広がっていっているので、なかなかついていけないという側面もあります。
また、社員が営業としてのリテラシーがそれほど高くなかったということもあり、新たな事業領域に参入したり、自社に新たな予算をつくらなければいけなかったりするときに、壁にぶつかってしまっていました。そこで我々としても遅ればせながらマーケティングをしっかりと取り組まないといけない状況になったという背景があります。
我々は、5つの戦略を掲げています。ひとつ目は、中長期成長戦略の基礎となる「統合マーケティングボード&リサーチ」です。これは全役員、幹部が月に1回マーケティングについて議論するための会議です。そのために注力領域についてリサーチをして、我々のビジネスになりうるのかを議論し、やる、やらないを決めています。
2つ目は、事業共創を加速させるプログラムとして「共創ビジネス」を立ち上げ、オウンドメディアやコミュニティを通して2万人の会員と1000件の共創案件を創出してきました。具体的には、「OPEN HUB for Smart World」というオウンドメディアを起点に、社会課題を解決し、我々が豊かで幸せになる未来を実現するための新たなコンセプトを創り、社会実装を目指す事業共創の場です。
3つ目は「デジタルマーケティング」の強化です。「統合マーケティングボード&リサーチ」で決めた戦略に基づいて、顧客のインサイトを刺激し、新規開拓に向けた施策を実施しています。
4つ目は「セールスイネーブルメント」で、CX(顧客体験価値)を最大化するためにデータドリブンで取り組んでいます。5つ目は、ビジネスリード創出の実践経験と対外発信力を併せ持つメンバーを「カタリスト(人の行動や意識の向上を促進したり、周りの人のよい刺激となるような人材を指す)」として認定するなど、マーケティング活動を支える人的資本の整備にも注力しています。
このように5つの戦略を掲げていますが、ビジネスインパクトを出す最大のポイントはひとつ目の「統合マーケティングボード&リサーチ」だと感じています。
東海林 緻密な戦略でインパクトを出されているんですね。