B2Bアジェンダ2024レポート #01
新時代のB2Bマーケターの役割とアクションを徹底議論【B2Bアジェンダ2024レポート】
ワンチームで責任を持つ
東海林 三井住友カードの鈴木さんはいかがですか。
鈴木 金融業界は他の業界に比べるとアナログなイメージがあると思います。様々な外部要因もあり、いままではデジタルが不得意な業界であったという見かたもあるでしょう。一方で、クレジットカード業界では法人領域でもキャッシュレスのニーズが広がっておりデータを整理し、効果的なマーケティングを行う必要性が高まっています。
その中でSFA(営業支援ツール)やMA(マーケティングオートメーション)を活用し、営業接点とマーケティング接点で得たあらゆるデータを集めて融合する仕組みを構築しています。これにより、リアル・デジタル両面でお客様に接したデータがすべて集約され、営業やマーケティングの精度を高めています。
我々のターゲットとなるのは日本の法人のお客様で、200万社存在すると言われています。それらの企業の属性データや業績の推移、利用しているサービスなどの行動データをマーケティングオペレーション(Mops)の一環として社内で管理しています。また、我々の営業やマーケティング担当者がSFAやMAなどを活用して、顧客に接触した情報を収集しているので、実行したデータがすべて集約されるようになっています。
ビジネスインパクトを出す上での最大のポイントは、マーケティング活動全体の横串の活動だと考えています。たとえばDMを送るにも、市場分析やお客様課題推定などの戦略策定、クリエイティブやインサイドセールスのスクリプトなどの実行面、SFA活用による結果分析やPDCAまで、一気通貫で施策全体を設計しています。お客様の一連のジャーニーに対してワンチームで責任持って取り組んでいくことが信頼獲得につながり、それが結果的にビジネスインパクトにつながると考えています。
私個人の見解として、マーケティングの構造は3階層に分けられると考えています。1階層は仕組みづくりで、組織体制やシステムなどハードを整える活動と、コミュニケーションやスキルなどソフトを向上させる活動があります。真ん中にあたる2階層はお客様に価値を伝えていく活動で、リード獲得やチャネル、販売促進などいわゆるセールスマーケティングです。さらに3階層は長期的な価値を創るところで、商品開発や市場創造が位置づけられると考えています。
その中で、当社は2階層部分で価値をしっかりと伝えていく。また誰に、どうやって伝えていくのか、しっかりと心が動くのかという部分にワンチームで横串の活動でフォーカスすることでビジネスインパクトを出すことを狙っています。
東海林 先ほど顧客が200万人いるとのお話がありましたが、どのように構造化していくことが重要だと考えていますか。
鈴木 200万社すべてにアプローチすると、お客様の顔が見えなくなってしまいます。どこにフォーカスするべきかを決め、そのお客様の困りごとは何なのか営業とマーケティングで得た定性・定量両方の情報から見極め、解決できるようにお客様との一連のジャーニーを創っていく。基本的なことを一つひとつ積み上げていくことが重要だと考えています。
東海林 ありがとうございます。ワンチームで横串の活動が重要だと改めて気付かされます。
※後編 進化するB2Bマーケターの役割、データと肌感の融合でビジネスインパクトを最大化する【B2Bアジェンダ2024レポート】 に続く
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