マーケティングアジェンダ東京2024レポート #01
大谷翔平選手への応援で話題となった伊藤園「お~いお茶」 グローバルアンバサダー契約の裏側【マーケティングアジェンダ東京2024レポート】
2025/01/31
国内外のブランド企業などのトップマーケターが集結する日本最高峰のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ東京2024(主催:ナノベーション)」が2024年12月5日から6日にかけて、東京都内(ベルサール新宿グランド)で開催された。
そのキーノートセッションをnote プロデューサー/ブロガーとしてビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている徳力基彦氏がレポートする。第1弾として、伊藤園が2024年4月30日に世界No.1の無糖緑茶飲料ブランド「お~いお茶」(※)が、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手とグローバル契約を締結した背景と苦悩の裏側と、累計販売本数430億本を超える「お~いお茶」はどのように消費者インサイトを捉え、商品開発やブランド価値を高めているのかについて、同社 執行役員 マーケティング本部長の志田光正氏をスピーカーに迎え、元ユニ・チャーム グローバルマーケティング本部長の木村幸広氏がモデレーターを務めたセッションをレポートする。
(※)ギネス世界記録TM認定
インテージSRI+無糖茶飲料市場データ2023年1月~12月の「お~いお茶」ブランド販売金額
そのキーノートセッションをnote プロデューサー/ブロガーとしてビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている徳力基彦氏がレポートする。第1弾として、伊藤園が2024年4月30日に世界No.1の無糖緑茶飲料ブランド「お~いお茶」(※)が、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手とグローバル契約を締結した背景と苦悩の裏側と、累計販売本数430億本を超える「お~いお茶」はどのように消費者インサイトを捉え、商品開発やブランド価値を高めているのかについて、同社 執行役員 マーケティング本部長の志田光正氏をスピーカーに迎え、元ユニ・チャーム グローバルマーケティング本部長の木村幸広氏がモデレーターを務めたセッションをレポートする。
(※)ギネス世界記録TM認定
インテージSRI+無糖茶飲料市場データ2023年1月~12月の「お~いお茶」ブランド販売金額
大谷翔平選手をテレビCMで起用する予定が…
伊藤園といえば、なんといっても「お~いお茶」が非常に有名です。
なにしろ「お~いお茶」は5年連続、世界で最も飲まれている緑茶飲料としてギネス世界記録にも認定されているほどです。
その理由のひとつが、おいしいお茶をお客様に楽しんでもらいたいという伊藤園の品質へのこだわりです。
「宵越しのお茶は飲むな!」という「お~いお茶」開発当初からの心得を商品に体現し続け、茶生産家と共同で茶葉を開発したり、酸化を防ぐ独自技術を磨き続けるなど、6つの秘密が説明されました。
そんな伊藤園が日本発で世界を目指す「お~いお茶」のブランドの顔として、2024年の春に契約したのがロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手でした。
昨年は、大谷翔平選手の活躍が大きな話題となりました。それに連動して「お~いお茶」の取り組みもさまざまなメディアで数多く取り上げられていたので、一般的な取り組みだと捉えている人も少なくないかもしれません。
ただ、実は「お~いお茶」と大谷翔平選手の取り組みには、大きなドラマがあったそうです。
もともと伊藤園としては、大谷翔平選手を「お~いお茶」の顔としてテレビCMに起用する予定で契約を進めていたそうです。
伊藤園 執行役員 マーケティング本部長
志田 光正 氏
1974年7月5日生。1998年4月伊藤園入社。2004年5月マーケティング本部商品企画一部 配属。2013年5月マーケティング本部商品企画一部 部長。2019年5月マーケティング本部 本部長。2022年5月執行役員 マーケティング本部長。現在に至る。
志田 光正 氏
1974年7月5日生。1998年4月伊藤園入社。2004年5月マーケティング本部商品企画一部 配属。2013年5月マーケティング本部商品企画一部 部長。2019年5月マーケティング本部 本部長。2022年5月執行役員 マーケティング本部長。現在に至る。
伊藤園としては、ここ20年間で国内市場が成熟してしまい、売上が横ばいになっている課題を抱えていました。そこで「世界のティーカンパニー」という長期ビジョンを掲げ、「茶スペシャリストとして世界の茶文化とつながり、おいしさと価値を広く伝える」ことを目指し、海外市場を重視する方針を打ち出しました。その日本発の世界に向けたシンボルとして大谷翔平選手との契約を行うと決定したのが、2024年の3月だったそうです。
実は、大谷翔平選手はもともと「お~いお茶」が好きで飲んでいることを公言していました。伊藤園は大谷翔平選手との契約後に、その大谷翔平選手の「お~いお茶」に対する愛をテレビCMでアピールする想定だったそうです。
しかし、その矢先に誰の記憶にも新しい、通訳の水原一平氏のギャンブル疑惑事件が発生しました。