マーケティングアジェンダ東京2024レポート #01

大谷翔平選手への応援で話題となった伊藤園「お~いお茶」 グローバルアンバサダー契約の裏側【マーケティングアジェンダ東京2024レポート】

 

大谷翔平選手を「応援する」という選択


 もし皆さんが「お~いお茶」のブランド担当者である場合、あの瞬間にどのような選択をしたでしょうか。

 一連の騒動が終わるまで様子を見て、騒動後にもともとのテレビCMのプランを実施したでしょうか。それともテレビCMの内容を見直したでしょうか。企業によっては騒動をきっかけに契約を見送ることすらあったかもしれません。

 しかし、伊藤園は大谷翔平選手との契約は予定通り結び、当初想定していたテレビCMのプランを一旦は白紙にするという選択をしました。
 
木村グローバルマーケティング合同会社 代表/アルダ株式会社 CMO
木村 幸広 氏

 元ユニ・チャーム常務執行役員グローバルマーケティング本部長。マーケティングアシスタント、ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを経て31年間ユニ・チャームのマーケティングに従事。途中タイ約6年、インド約10年の海外駐在。インドではユニ・チャームのインド法人をゼロから立ち上げ。現在、コンサルティングの木村グローバルマーケティング代表。国内外で40以上の動物病院を経営するアルダ株式会社でCMOや、視聴データ分析会社であるREVISIOの顧問/マーケティングアドバイザーも務める。

 2024年は何といっても大谷翔平選手が「50−50(1シーズンでホームラン50本、50盗塁)」を達成するという歴史的な大活躍をした年です。

 ただ、今となっては覚えている人のほうが少ないかもしれませんが、伊藤園が大谷翔平選手と契約をした直後のタイミングは、大谷翔平選手にも疑惑の余波がありプレーでも苦しんでいる時期でした。

 そこで伊藤園は、大谷翔平選手を起用して「お~いお茶」を宣伝するテレビCMや広告をつくるのではなく、友人に裏切られて深い心の傷を負った大谷翔平選手を、ファンとともに「応援する」という選択をとったのです。

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