マーケティングアジェンダ東京2024レポート #01

大谷翔平選手への応援で話題となった伊藤園「お~いお茶」 グローバルアンバサダー契約の裏側【マーケティングアジェンダ東京2024レポート】

 

「お~いお茶」のロゴが見えないメッセージを掲載


 まずは、2024年4月30日に世界60紙で大谷翔平選手への応援メッセージを掲載します。ここで驚くのは、この広告にあえて大谷翔平選手の写真を使っていないどころか、あえて「お~いお茶」の正面のロゴが見えない状態で活用している点です。
  

 飲料メーカーの商品において、正面のロゴはまさに商品の顔です。それを広告においても正面に向けずにあえて、大谷翔平選手の俳句のほうを向ける形で、大谷翔平選手を応援するファンと同じ気持ちを表現したのです。

 さらに、5月20日に大谷翔平選手のグローバルアンバサダー契約を全世界で発表しました。その後も、大谷翔平選手を露出する広告ではなく、大谷祥平選手を応援する屋外の巨大広告を国内外85所以上に掲載しました。

 象徴的なのは、6月9日に米国・ニューヨークのタイムズスクエアにロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキース戦のタイミングで掲載した屋外広告でしょう。
  

 伊藤園は、こうした屋外広告などの露出素材とそれに対するSNSの反応を報道参考資料としてさまざまなメディアにプッシュする活動に特化しました。最終的に4月30日から6月10日までの露出はテレビ、新聞、WEB(SNS別)を合わせて、なんと掲載媒体数が720件、露出金額価値にして13億円以上という結果になったそうです。

 今回の取り組みで非常に印象的なのは、テレビCMは一度も展開していないにもかかわらず、事後リサーチを実施した結果、35.5%の人が「大谷選手がでていた『お~いお茶」のテレビCMを見た」と回答するという誤認があった点でしょう。

 それぐらいテレビの報道番組などで「お~いお茶」と大谷選手についての報道が、何度も実施されていたことがよく分かります。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録