「Community Summit ~顧客起点で拓く、持続的成長への道~」レポート
ドン・キホーテ好調の裏側、会員1600万人の声を活かす「マジボイス」共創コミュニティへの挑戦
「『いいよ!』と『ビミョー』で顧客の本音を捉える ドン・キホーテが目指す顧客との共創の未来」と題して、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が取り組む、顧客との共創。その裏側に迫るセッションが、2月28日に都内で開催された「Community Summit ~顧客起点で拓く、持続的成長への道~」(主催:コミューン)で開催された。
セッションでは、PPIHが顧客最優先主義を掲げる中で開発したアプリ機能「マジボイス」の背景や、アプリを通じて集まったリアルな声、顧客と共に未来をつくるための取り組みについて、同社 マーケティング戦略部 マジボイス推進課 責任者の宮本慎太氏と、コミュニティサクセスプラットフォーム「Commune」を提供し、コミュニティづくりを立ち上げから活性化までトータルでサポートしている、コミューン 執行役員 VP of Salesの高橋範行氏(モデレーター)が語った。
セッションでは、PPIHが顧客最優先主義を掲げる中で開発したアプリ機能「マジボイス」の背景や、アプリを通じて集まったリアルな声、顧客と共に未来をつくるための取り組みについて、同社 マーケティング戦略部 マジボイス推進課 責任者の宮本慎太氏と、コミュニティサクセスプラットフォーム「Commune」を提供し、コミュニティづくりを立ち上げから活性化までトータルでサポートしている、コミューン 執行役員 VP of Salesの高橋範行氏(モデレーター)が語った。
お客さまの声を店舗づくりや商品開発に活かす
高橋 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)さんの「マジボイス」の話をする前に、まずはPPIHさんの事業説明をお願いします。
宮本 PPIHは、ドン・キホーテを中心に国内リテールを展開し、海外リテールでは「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)」も展開しています。それ以外にも、デジタルや金融、不動産など、多岐に渡る事業を行っています。
1989年のドン・キホーテ1号店の出店以来、35期連続で増収・増益を達成しており、売上高は2兆円になります。私が就職したときは、9000億円ほどしかなかったので、成長が早いと感じています。

パン・パシフィック・インターナショナル ホールディングス
マーケティング戦略部 マジボイス推進課 責任者
宮本 慎太 氏
2016年にドン・キホーテに入社。約3年間店舗の売り場担当者を経験した後、店長、人事部門(新卒採用)、PB商品販促部門に従事。2022年12月マーケティング戦略本部へ異動し、マジボイス立ち上げから立ち上げ後の運営業務等に従事。2024年10月より、マジボイスを主とする、アプリ戦略企画を立案・実行するマジボイス推進課の責任者を務める。
マーケティング戦略部 マジボイス推進課 責任者
宮本 慎太 氏
2016年にドン・キホーテに入社。約3年間店舗の売り場担当者を経験した後、店長、人事部門(新卒採用)、PB商品販促部門に従事。2022年12月マーケティング戦略本部へ異動し、マジボイス立ち上げから立ち上げ後の運営業務等に従事。2024年10月より、マジボイスを主とする、アプリ戦略企画を立案・実行するマジボイス推進課の責任者を務める。
高橋 PPIHさんの成長の秘訣ともいえる取り組みに、お客さまの声を拾って一緒に事業を共創していく「マジボイス」があります。今回は、次の3つのテーマに沿って進めていきます。
- 1. 「マジボイス」とは?開発の背景
2. マジボイスの機能とは?
3. 顧客の声の活かし方
まずは、ひとつ目の「マジボイス」とは、一体どういったサービスなのか、開発の背景からお話しいただけますか。
宮本 「マジボイス」は、majicaアプリの中のひとつのサービスです。majicaアプリは、国内のドン・キホーテやアピタなどを含むmajica加盟店でのお買い物を便利に、お得にサポートする電子マネーmajicaの公式アプリになります。
直近では、1600万人の会員数を超えています。つまり、マジボイスはmajicaアプリのいちサービスの機能で、コミュニティという観点からすると1600万人の会員のコミュニティの場だと捉えています。
では、なぜマジボイスを開発したのかを説明します。その前に、ドン・キホーテの「情熱価格」という商品についてご紹介します。情熱価格の商品は、ドン・キホーテのPB (Private Brand:プライベートブランド)でしたが、2021年にリニューアルしました。
そんな中、これは運命なのか、偶然なのか、PBの「P」の部分をよく見ると「People」と置き換えることができることに気づきました。「People」であれば、企業理念である「顧客最優先主義」と合致します。そこで、お客さまと一緒に商品をつくりあげていく「People Brand」として、情熱価格をリニューアルしました。
高橋 どのようなリニューアルを実施したのでしょうか。

コミューン
執行役員VP of Sales
高橋 範行 氏
青山学院大学卒業後、巣鴨信用金庫入庫。営業職として法人企業ならびに個人事業主に対する融資提案・経営支援・財務的側面からのコンサルティング業務に従事。2018年に沖電気工業株式会社に入社し、金融機関を対象としたシステムコンサルティング業務に従事。2021年2月コミューン株式会社入社。2022年10月VP of Salesに就任し、インサイドセールスとフィールドセールスを統括。2024年6月執行役員VP of Salesに就任。
執行役員VP of Sales
高橋 範行 氏
青山学院大学卒業後、巣鴨信用金庫入庫。営業職として法人企業ならびに個人事業主に対する融資提案・経営支援・財務的側面からのコンサルティング業務に従事。2018年に沖電気工業株式会社に入社し、金融機関を対象としたシステムコンサルティング業務に従事。2021年2月コミューン株式会社入社。2022年10月VP of Salesに就任し、インサイドセールスとフィールドセールスを統括。2024年6月執行役員VP of Salesに就任。
宮本 マジボイスの前身として、お客さまのダメ出しだけを集めた「ダメ出しの殿堂」というサイトをオープンし、その要望をしっかりとキャッチアップし、商品開発を進めてきました。
その取り組みから、しいたけがゴロゴロ入った「しいたけスナック」や「理想のバスタオル」など、多数のヒット商品が誕生しました。また、情熱価格の商品だけを扱う新業態の「ドミセ」をオープンしてきました。
高橋 私も「ドミセ」に行ったことがあります。こういうのがあったら良いのにと思う商品が多く揃っているなと感じました。
宮本 その後、コロナ禍や円安、インフレに伴う原価高騰が続き、あらゆる業種で値上げが相次ぐ状況でした。そのとき、吉田直樹(代表取締役社長CEO)と情熱価格の責任者と、我々が掲げている「顧客最優先主義」をもとにお客さまの暮らしをいかなるときも支え、よりお客さまにとって都合の良い店を目指すことが重要だと議論しました。
そのタイミングで、我々は「マジボイス」を立ち上げることを決めました。majicaアプリにはすでに1600万人の会員が登録されており、会員の購買データや行動を把握することができます。そこで、お客さまのリアルな声を正しくキャッチし、より良い商品やサービスの開発につなげることができると考えたからです。
「みんなの声で、ぜんぶが変わる!?」というコンセプトのもと、マジボイスをmajicaアプリ内に実装し、お客さまと共に、より良い店舗づくりと商品開発を推進していくことを目指しました。