ライジングアカデミー、SUBARUとローランドの派遣責任者に聞いた社員の成長。「実務で生かしてくれた」「同僚のマーケティング感度が上がった」
次世代を担う若手マーケターの育成の場であるアクセラレータープログラム「Rising Academy powered by ノバセル」(以下、ライジングアカデミー)は終盤を迎えており、受講生は講義に参加しつつ卒業プログラムにも意欲的に取り組んでいる。
ライジングアカデミーは各分野のトップマーケターが講師を務め、事前審査を通過した参加者が無料で受講できるプログラム。第1期は2024年11月に開講し、これまで「マーケティング戦略」「ブランディング」などについて学んできた。
残る講座は4回で、「CRM」「広報・PR」をテーマに2回ずつ予定されている。このほか、受講生は学んできたことを生かし、伊藤園の野菜飲料に対して実践的なマーケティング戦略を立案するという卒業プログラムに挑戦している。
今回は、ライジングアカデミーに若手マーケターを派遣している企業の責任者(推薦者)であるSUBARU 国内営業本部マーケティング推進部 宣伝課 課長の安室敦史氏、ローランドDrums & Percussion事業本部 Drums & Percussion事業部 製品戦略グループ リーダーの平山優氏に、受講している社員の成長ぶりなどについて話を聞いた。
SUBARUの安室氏(左)とローランドの平山氏
【第2期ライジングアカデミー】公式サイトはこちら
視野が広がり、視座が高くなった
ーーそれぞれ社員をライジングアカデミーに派遣されていますが、どのような成長がみられますか?
安室 弊社の木村(巧さん)はモチベーションが向上していますし、学んできた知識を実務に生かそうとしてくれています。 スキルや知識だけではなく、人をどう動かすか、感情をどう動かしていくかというのは非常に難しい側面があります。そんな中、実務でこうやったら人は動いてくれるんだというところを、第一線で活躍されているマーケターの方から学べるのはすごく良いなと思っています。
平山 弊社の高石(光輝さん)は、私の直属の部下ではないのですが、新製品の企画立案担当者であり、プロジェクトをリードする立場です。もともとはエンジニアで、当社製品の回路基板の設計などを担当していましたが、企画をやりたいということで異動してきました。
今までもマーケティングや企画について書籍などで勉強はしてきていましたが、ライアカ(ライジングアカデミー)に通うようになって視野が広がったと感じています。ライアカではマーケティングの全体像を体系的に学んでいます。まだマーケティングを実務で実践するレベルではないかもしれませんが、自分が解決すべき問題がどこにあるのか気付けるようになったところと、周りを巻き込んで問題をどうやって解決しようかと話すきっかけをつくれるようになりました。マーケティングという視点で物事を見られるようになったことに成長を感じています。
ーー具体的にどの講義、どのワークショップのどのような点が良かったと話していましたか?
安室 花王の廣澤祐さんの講義が特に良かったと言っていました。木村は「他者への関心をもっと持つ必要性を感じた」「組織の構造や情報源、人の感情に関心を深める必要性を学んだ」と言っています。
さらに、「自身の能力やコンピテンシーについても他者により理解してもらうように努める必要性を認識した」「これからは外部のカンファレンス等も活用して自身の取り組みを発信して、他者との協業の機会をこれまで以上に模索していきたい」とも言っていて、マーケティング戦略を構築していく上で他者との共創や自分自身をもっと知ってもらう必要性について深く考えてくれています。そのきっかけになったのが廣澤さんの講義だったようです。 視野が広がり、視座が高くなったと感じています。
平山 高石も同じく、廣澤さんの講義が良かったと言っていました。理由は「圧倒的な知識に基づいた体系的な説明で、すごく幅広く理解を深められた」とのことです。「容赦ない事前課題で鍛えていただいた」とも言っていました。
廣澤さんの講義は年間を通したプログラムの4回目に行われ、受講生がまだ慣れていない中で、書籍を読んだり深い考察を求められたりする事前課題が出て、大変だったようです。そのインパクトも含めて記憶に残っているし、そこでエンジンがかかったんじゃないかという気がします。
ーー社員をライジングアカデミーに派遣したことで、貴社にどんな影響があったか教えてください。
安室 今年はフォレスターという新型車のブランド担当を彼に任せたのですが、おかげさまで販売が大変好調で、国内SUBARU史上、単月の販売台数記録を更新しました。単月でみると、日本の車がもっと売れていた時代を上回ったんです。ライジングアカデミーで学んできたことを実務で生かしてくれたし、自信になったところもあるかもしれないですね。
また、後輩に対する指導が積極的になったり、ライジングアカデミーで学んだことを周囲に教えているところもあったりして、育成の面でも成長してくれたと感じています。 同じ部署のメンバーに「第2期ライジングアカデミーに行ってみたら?」と言っているみたいですし、いい影響を与えてくれていると思っています。
平山 多くの参加者がやっていると思うんですけど、高石はライアカが終わったらレポートを書いて、内容を社内で共有してくれています。それが毎回たまっていき、どんどん長くなる生きた資料になっています。学びの成果の記録というのは貴重な財産です。
さらに、それを見た社内の関係者がマーケティングに対して興味を持つようになる。高石も含めて、そのレポートを読んだ人たちで会話が始まったりする。高石1人だけではなくて、周りの人間のマーケティングへのアンテナの感度がちょっとだけ上がっているのはとても良いことだと思います。
当社は本社が浜松で、高石はライアカに出席するために新幹線で東京に行き、講義の後の懇親会にも出席しているので宿泊を伴います。学んだことを会社のために還元するというのを自分のミッションとして参加しているのだと思います。
刺激を与え合える仲間の存在はすごく大事
ーー今後のライジングアカデミーにどのようなことを期待していますか?
安室 人材育成では、ロミンガーの「70:20:10」の法則が有名です。「研修」が10%、他者からの「薫陶」が20%、「経験」が70%で、その三つが全部必要なんですが、それを反復しないと自分のものになっていかないと思います。受動的に講義を聴くだけではなく、どんどん課題を与えてもらって、能動的にアウトプットしながら、なんならそれを一緒に受講している皆さんと共有しながら進めていくことで、自分の力になっていくと思います。なので、ぜひ課題をたくさん出してください。
平山 ライアカが第2期、第3期と続いてほしい。そして、世代を超えたコミュニティができると良いと思います。マーケティングを学びたい人たちが集まっている場なので、継続的につながれる居場所があるといいですね。講義が終わったら実務に戻るだけではもったいないし、学びきれていないこともあるでしょう。
また、ライアカで一緒に頑張った人たちがカンファレンスなどで登壇するようになったら素晴らしいですね。それを見たら、「自分も頑張るぞ」となるでしょうし、そういう刺激を与え合える仲間の存在はすごく大事です。マーケティングという軸で集まった人たちが仲間になれる場所があるのはうらやましいなと思います。
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第2期ライジングアカデミー開催概要
- 名称
- Rising Academy powered by オプト
- 日時
- 2025年8月~2026年3月
毎月1、2回程度(平日19:00~20:30) - 受講方式
- ハイブリッド開催(会場/オンライン受講)※会場受講は定員有
- 参加者
- 若手マーケター100名(推薦人を必須とした上で審査制)
- 参加費
- 無料
- 主催
- 株式会社ナノベーション
- 特別協力
- 株式会社オプト
- メディアパートナー
- アジェンダノート