SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA レポート #02

「ソーシャルイノベーションの進め方と、街との関係性とは」元レッドブル グローバルマーケター対談

リンツ、アムステルダム、ベルリン……世界の街のイノベーション

長田 現在渋谷で開催中の「Social Innovation Week Shibuya」は、都市が抱える社会課題領域から可能性創造領域までを体感するイベントですので、最後に「街」の話を聞きたいと思います。世界の街が起こしているイノベーションの事例を紹介してください。

シミック まずは、オーストリアのリンツ。非常に小さな街ですが、1986年にスタートした芸術・先端技術・文化の祭典「アルス・エレクトロニカ」によって、世界的に認知されるようになりました。
 
Future Design Shibuya
 次は、オランダ・アムステルダム。マリファナが簡単に手に入る街とか、娼婦街やナイトクラブの街というイメージが強いと思いますが、ここでは、かつての娼婦街をクリエイティブなエリアに変えるプロジェクト「Beautiful Distress」が展開されています。精神障害を持つ人々がより広く理解される社会の実現を目指し、アートを通じて精神医療と社会の間にある分断を埋めることをコンセプトに立ち上げられたものです。

 ドイツ・ベルリンは、ニューヨークやロンドン、フランクフルトといった都市と比べると“忘れ去られた”街という印象が強かったのですが、近年は街全体でスタートアップ企業が成功するためのエコシステムを構築する実験をしており、「スタートアップ企業の新たなメッカ」として注目を集めつつあります。

 かつて東西ドイツを隔てていた「ベルリンの壁」には、いまこんなメッセージが掲げられています——小さな人、小さな場所、小さなものが世界を変えることにつながる、と。
 
Future Design Shibuya
長田 どの取り組みも、最初は小さくスタートして、徐々に規模を拡大し、影響力を強めてきたものばかりですね。私たちの街・渋谷のソーシャルイノベーションも、そのように進めていくのがよさそうですね。
 
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