ダイレクトアジェンダ特別企画 #03

D2Cの本質が見えてきた。「バルクオム」の製品戦略と広告プロモーション【オイシックス・ラ・大地 西井敏恭】

シャンプー市場にも参入、12月に新製品発売

西井 さまざまな化粧品メーカーがメンズブランドを手がけ、多額の広告費をかけて展開していったにもかかわらず、うまくはいきませんでした。そんななか、バルクオムはどのようにブランドの世界観をつくっていかれたのでしょうか。

野口 うーん、何ですかね…。やはり、すべてにおいて細かくPDCAを回しているということですかね。とにかく世界中のインテリジェンスな男性に長く愛される定番のブランドにしたいという思いは強く持っていました。

西井 その思いが具現化したんでしょうね。ターゲットのニーズは変化しているので、それにきちんとチューニングしているという印象を受けました。今後のブランド展開についてもお聞かせいただけますか。



野口 12月3日に新製品としてシャンプーとトリートメントを発売します。詳細は、まだお伝えできませんが、メンズコスメ史上で初めて育毛訴求ではない大ヒットシャンプーになると確信しています。

西井 楽しみにしています。今日は、ありがとうございました。
 

西井敏恭氏氏 対談を終えて

 最近、よく聞かれるようになったD2C。私の中でも過去のメーカー直販との違いをふわっとしか答えがなかったのですが、今回野口社長とお話ししたことで明快になりました。

 ソーシャルに取り組む姿勢というだけでなく、やはり「ものづくりのところまで一貫してやる」という部分。実はものづくりをしているブランドにとっては当然のようにも思われがちですが、D2Cでは大きく異なります。一般の企業では、「ものづくり→プロモーション→販売」という流れになっていて、このサイクルが数年に一度リニューアルという形で毎回仕切り直しされるわけですが、D2C企業にとっては「ものづくり→プロモーション→販売→ものづくり→プロモーション→販売」というサイクルがユーザーのフィードバックをもらいながら細かなPDCAを実現しています。

 デジタルの人たちがサイト改善などで実施しているグロースハックの手法が商品開発の世界でも実現される組織、というのは、元々ものづくりが強みと思っている日本の企業にとって参考になるのではないでしょうか。

 1月開催の「ダイレクトアジェンダ」でもさらに深掘りしてお話を聞いてみたいと思います!
 
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