マーケティングアジェンダ2026 #11

オリオンビール CMOの湖東彰彦氏が審査員に就任―ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026

前回の記事:
若手クリエイターの交流会を実施 リクルート萩原幸也氏「切磋琢磨して広告業界を元気に」ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026
 

オリオンビール全体のビジネスの向上、IPOに貢献

 2026年6月2日から4日にかけて、沖縄県宜野湾市のラグナガーデンホテルで日本最大級のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ2026(主催:ナノベーション)」が開催される。

 本カンファレンスの会期中には、若手クリエイターが企画案を競い合うコンペティション「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026」が、株式会社FIELD MANAGEMENT EXPAND協賛の下で実施される。

 「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ」は、世界最高峰の国際広告賞である「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(通称:カンヌライオンズ)」内の「ヤングライオンズコンペティション(通称:ヤングカンヌ)」からインスピレーションを受けたプログラムで、今年で6回目の開催を迎える。

 マーケティングにおいて、戦略やプランニングとともにクリエイティブが重要な要素であるにもかかわらず、事業会社が優秀な若手クリエイターと出会う機会は多くない。そこで、若手クリエイターの企画アイデアをマーケターが評価し、お互いの出会いの場を創出する「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ」が生まれた。参加クリエイターは、実在する企業課題から企画を練る。

 このたび、本コンペティションの審査員に、オリオンビール 執行役員CMO マーケティング本部長の湖東彰彦氏が新たに加わった。

参考記事:オリオンビール CMOに元スマートニュースの湖東彰彦氏が就任「真の沖縄ローカルビールとして大手4社ができないことにチャレンジする」

 
オリオンビール
執行役員CMO マーケティング本部長
湖東彰彦氏

MHD Diageo Moet HennessyやJohnson & Johnson等の外資系企業にて日本、米国、シンガポールを拠点に、約30年にわたって消費財のマーケティングに従事。2017年からAmazonジャパンにてAmazon FreshとPrime Nowの事業部長を担った後、2020年にSmartNewsにマーケティング部門の責任者として入社。2023年4月より現職のオリオンビール株式会社にて執行役員CMOマーケティング本部長。
   

 近年、オリオンビールの業績は大きく伸長している。売上高は2023年3月期の235億円から、2024年3月期には260億円、2025年3月期には288億円へと着実に増加。営業利益も27億円、28億円、34億円と伸び、営業利益率はそれぞれ約11.5%、10.8%、11.8%と高い水準を維持している。収益規模の拡大に加え、安定した利益を確保できる体質が強まっていることがうかがえる。

 この成長を支えたのは、主力である酒類・清涼飲料事業の堅調な拡大に加え、観光・ホテル事業の回復と伸長だ。2025年3月期のセグメント別売上高は、酒類・清涼飲料事業が227億円、観光・ホテル事業が61億円まで伸びた。主力事業が安定した収益基盤を担う一方で、観光・ホテル事業も黒字化しており、酒類に過度に依存しない事業構造の構築が進んでいる。新型コロナ禍からの観光需要の回復を取り込みながら事業領域を広げてきたことが、近年の業績拡大を後押ししている。

 さらに2025年9月には、東京証券取引所プライム市場への上場を果たした。これは、収益力の改善、事業ポートフォリオの強化、そして沖縄発のブランドを県外・海外へ広げていく成長戦略が評価されたことを示しているといえる。

 湖東氏は、MHD モエ ヘネシー ディアジオやジョンソン・エンド・ジョンソンなどの外資系企業にて日本・米国・シンガポールを拠点に約30年にわたって消費財のマーケティングに従事。2017年からAmazonジャパンにて、生鮮食品配送サービス「Amazon Fresh」とプライム会員向けの短時間配送サービス「Prime Now」の事業部長を担った後、2020年から約3年間にわたってスマートニュースのマーケティング部門の責任者を担い、2023年4月に現職のオリオンビール 執行役員CMOマーケティング本部長に就いた。

 オリオンビールでは、CMOとして、大手メーカーの定石を覆す独自の戦略を指揮。沖縄県民のインサイトを徹底的に掘り下げ、「キレ・コク」といった使い古された味表現を一切使わない広告キャンペーンを開発。県民の共感と誇りを呼び起こすことで、長年下落傾向にあった「オリオン ザ・ドラフト」を劇的なV字回復へと導いた。

 また、ビールの枠を超え、沖縄の魅力を具現化した「カラービール」の開発や、異業種とのコラボレーション、ライセンスビジネスを積極的に推進。「沖縄のアイデンティティを世界に発信するライフスタイルブランド」としての再定義を行い、飲料メーカーの枠を超えたブランドプラットフォームを構築した。地域活性化とブランド価値の最大化を両立させたこれらの施策は、会社全体のビジネスを大きく向上させ、2025年のIPO実現へと繋がる重要な原動力となった。
 

誰かの心に深く突き刺さる「ギフト」となる企画を期待


 就任にあたって、湖東氏から寄せられたコメントは以下の通り。


 現代のマーケティングは、皮肉にも「精緻なデータ」や「効率的なツール」が進化するほど、ブランドが持つべき「魂」や「熱量」が置き去りにされるという大きな課題に直面しています。

 いま世の中に溢れているのは、単にブランド名を連呼して認知を奪い合うだけの広告や、短期的なROIの奴隷となった「無難な最適解」ばかりではないでしょうか。しかし、生活者が求めているのは、自分たちの人生を豊かにしてくれる「価値」です。

 私が若手クリエイターの皆さんに期待するのは、ロジックを超えた「狂気的なまでの熱量」、生活者の心を揺さぶる「驚き」や「納得」。データの裏側にある生身の人間としての「生活者インサイト」を深く掘り下げ、そこに「そのブランドにしか語れない独自の価値」をどう鮮やかにブリッジできるか。その「一貫したストーリー」の構築にこそ、クリエイティブの本質が宿ると信じています。

 皆さんの企画が単なる「消費される情報」ではなく、誰かの心に深く突き刺さる「ギフト」になっているか。「効率」に魂を売らず、自分たちが一番のファンとして胸を張れる、そんな新しい時代のマーケティングの景色を共に見せてください。

 

マーケターを中心とする審査チーム


 ヤング・クリエイティブ・アジェンダは、マーケターを中心に構成される審査チームが特徴のひとつだ。

 話題のテレビCMを数多く手掛けているリクルート マーケティング室 クリエイティブディレクター/部長の萩原幸也氏(審査員長)、 KDDI ブランドコミュニケーション本部 副本部長の合澤智子氏、花王 マーケティングイノベーションセンター長の伊藤浩史氏、カンロ 常務執行役員マーケティング本部長 内山妙子氏、ダイキン工業 総務部 広告宣伝グループ長の片山義丈氏、ビザ・ワールドワイド・ジャパン VP CMO, Japan Korea Mongolia 里村明洋氏、赤城乳業 取締役 開発マーケティング本部 本部長 萩原史雄氏が審査員を務める。 

 また、dentsu Japan グロースオフィサーの澤本嘉光氏が審査アドバイザーを務める。

 

ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026 審査員長

 
リクルート マーケティング室 クリエイティブディレクター/部長
萩原 幸也 氏

 山梨生まれ。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業後(株)リクルート入社。リクルートグループのコーポレート、サービスのブランディング、マーケティングを担当。
武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所 客員研究員
武蔵野美術大学大学校友会 副会長
JAA 公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 クリエイティブ委員
県庁公認山梨大使
登壇歴 : Advertising Week / Marketing Agenda / Ne Plus U / Marketing X / ARTS(宣伝会議)/ 日本アドバタイザーズ協会 / amu /武蔵野美術大学 / 多摩美術大学 / 日本デザイナー学院 / 御茶の水美術専門学校 / タモリ倶楽部 など
受賞歴 : TDC / タイポグラフィー年鑑 / グッドデザイン賞 / カンヌライオンズ グランプリなど。
 

ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026 審査員

KDDI
ブランドコミュニケーション本部 副本部長
合澤 智子氏

99年現KDDI入社 モバイルEC/ニュースEXなどモバイルコンテンツサービス企画を経て、2009年からはプロダクト企画に異動。au Design projectのスマートフォン企画、プロダクトラインナップ企画に従事 2017年に役員付補佐 2018年よりデジタルマーケティングの主に広告領域、のち宣伝部では、マス・デジタル全般のクリエイティブ企画、メディアプランニングを統括 2025年より上記に加え、コーポレートブランディングのマネージメントにも従事、現在に至る。
 
 
花王
マーケティングイノベーションセンター長
伊藤 浩史 氏

熊本市出身。1989年の花王入社後は東京、大阪、九州全域、中部地方全域の販売経験のあと、22年間様々なブランドに携わった。新ブランド創造やグローバルブランド、ロングセラーブランドの再活性化など、特にヘアケアブランド「ASIENCE」のプロジェクト・リーダーとしての立ち上げとアジアへの拡張、ブランドマネジャーとしてのNIVEAブランドの大幅成長、コロナ禍でもマレーシア法人社長として構造改革で最高売上達成など、多様なフィールドで改革を実現した。現在は2023年より、マーケティングイノベーションセンター長として、メディア、リサーチ、データサイエンス、ナレッジマネジメントを束ねてマーケティング改革を推進。入社以来、新しいことへのチャレンジが成長を育むと考え“いつもSomething New!” を信条としている。
  
カンロ 常務執行役員マーケティング本部長
内山 妙子 氏

 デザイナーとしてカンロ入社後、マーケティング業務に従事
 2012年直営店「ヒトツブカンロ」の立ち上げに参加
 2017年40年ぶりとなる新CI導入を推進
 2018年執行役員 コーポレートコミュニケーション本部長就任
 2021年デジタルマーケティング推進プロジェクトPM
 2022年新設されたデジタルコマース事業本部の本部長兼務
 2023年パーパス策定推進
 2024年常務執行役員マーケティング本部長就任
 2025年マーケティング内にCX推進部新設
 (デジタルマーケティング、EC、広報機能を連携)
 
ダイキン工業 総務部 広告宣伝グループ長
片山 義丈 氏

 <ダイキン工業>1988年 ダイキン工業入社、総務部宣伝課。1996年 広報部 広報担当。2000年 広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て、2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた。新ブランド「うるるとさらら」の導入、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。統合型マーケティングコミュニケーションによる企業・商品のブランド構築、メディアバイイング、グローバルグループWEBサイト統括を担当。
<関西学院大学>2022年 経営戦略研究科 教授。マーケティングコミュニケーション、ブランドマネージメント、日本広告学会員。
著書:「実務家ブランド論(宣伝会議)」
 
ビザ・ワールドワイド・ジャパン
VP CMO, Japan Korea Mongolia
里村 明洋 氏

  兵庫県尼崎市出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。新卒でP&Gに入社。営業からマーケティングまでP&Gとしては異色のキャリアを築き、日本とシンガポールにて営業から営業戦略やブランド戦略、コンセプトや広告開発などに従事。
Googleに転職後は、プラットフォーム(検索、Google Play、Androidなど)、ハードウェア(Google TV、Chromecast、Nexusなど)、ソフトウェア(Google Maps、Google翻訳、Google Assistantなど)の多岐にわたるマーケティングを統括。
2019年3月より2024年1月7日までアドビ株式会社にてChief Marketing Officerとして従事。2021年経済産業省主宰「創造性を発揮する組織」に関する有識者研究会委員。ad:tech Tokyo 2023 アドバイザリーボードメンバー。NFT Summit Tokyo/Web3BB Tokyo アドバイザリーボードメンバー。元アドビ未来デジタルラボ所長。著書に「『不適合』から生まれたマーケティング」(翔泳社/2021年)。趣味はお笑いと釣りとサウナ。
2,024年1月8日よりビザワールドワイドジャパン株式会社にて、Vice President of Marketing、CMOとして従事。現在に至る。
 
赤城乳業
取締役 開発マーケティング本部 本部長
萩原史雄氏 

1995年赤城乳業に入社。エリア、CVS、GMSの営業を経て、2004年営業統括部を設立、マーケティング・広報担当に。2006年にはガリガリ君のキャラクタービジネスを行うためガリガリ君プロダクションを設立。2015年マーケティング部設立。2019年商品開発部、2020年に商品開発とマーケティングを一体化するため開発マーケティング本部を設立。2024年に新規事業参入に向けアイスドリーム研究所を設立。愛犬用アイス(ガリガリ君の家族ワンワン君)をテスト販売開始。2022年から現職。

 

ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026 審査アドバイザー

 
 
澤本 嘉光
dentsu Japan グロースオフィサー
澤本 嘉光 氏

 dentsu Japan グロースオフィサー
エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/CMプランナー/脚本家 1990年東京大学卒業後、電通入社。
ソフトバンクモバイル「ホワイト家族」、東京ガス「家族のきづなシリーズ」「ガス・パッ・チョ!」、
家庭教師のトライ「ハイジ」、森永乳業「宣伝部腸・浅田真央」など話題のテレビCMや、乃木坂46、T.M.RevolutionなどのPVを制作。
著書に小説「おとうさんは同級生」、映画「犬と私の10の約束」「ジャッジ!」「一度死んでみた」原作脚本
ドラマ脚本、東方神起などの作詞も担当。
クリエイター・オブ・ザ・イヤー、TCC賞 グランプリ、ACCグランプリ、カンヌ国際広告祭銀賞、ADFESTグランプリ、クリオ賞金賞・銀賞、など受賞多数。
   

ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026 課題提供企業(本戦)

 
ハイネケン・ジャパン
マーケティング部 ディレクター
須田 伸 氏

 大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。博報堂制作局にてCMプランナー/コピーライターとして様々な業種の広告キャンペーンに携わった後、Yahoo! Japan、サイバーエージェント、Facebook Japan、Bacardi Japan、Amazon Japanを経て、2023年よりハイネケン・ジャパンに勤務。世界No.1ノンアルコールビール、ハイネケンゼロゼロの日本導入や、世界一退屈なスマホBoring Phone/Boring Modeの日本導入等を手掛ける。
 

マーケティングアジェンダ2026 開催概要

 
名称
マーケティングアジェンダ 2026
日時
2026年6月2日(火) - 4日(木) <2泊3日> 
会場
ラグナガーデンホテル
〒901-2224 沖縄県宜野湾市真志喜4-1-1
参加者
350名(ブランド175名、パートナー175名)
参加方法
ブランド枠:無料(事前審査制)
プレミアムブランド枠:200,000円(税込220,000円)
パートナー枠:580,000円(税込638,000円)
ハッシュタグ
#MA26
主催
株式会社ナノベーション
特別協力
アジェンダノート(Agenda note)
マーケティングアジェンダ2026公式サイトは、こちら

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