B2Bアジェンダ2025レポート #03

旭化成、LIXILと考える「利益体質」の組織づくり レベニューオペレーションを実現するデータ活用とプロセス改革とは【B2Bアジェンダ2025レポート】

 

施策の効果を一気通貫で検証


徳田 2社の取り組みを聞いて、組織横断的なRevOps には、前提となる文化醸成が必要だという思いを強くしました。3P'sにおいてプロセスやプラットフォームも大事ですが、ピープルに「文化」が入るとするなら、「同じ方向を向いていく」という気持ちの共有や仕組み化が不可欠なのではないでしょうか。「文化醸成」は右脳的ですが、2社のお話に出てきたSQLや指標、KPIといった左脳的な部分と、両方が3P'sの土台になるのではないかと思いました。

では次に、3P'sと関連するデータ活用やプロセス改革において重要視していることをお聞かせください。鈴木さんからお願いします。

鈴木 まず「ピープル」に関しては、旭化成ではデジタルやマーケティングなどのスキルを学び、カリキュラムを修了した社員に電子証明書を発行する「オープンバッジ制度」を設けています。営業や開発など他部門の社員にもマーケティングのファネルを理解してもらい、相互理解に努めています。また、マーケティング人材については独自の教育プログラムを採用して育成しており、「プロ人財」と認定された社員が500人以上います。さらに「高度専門職」と呼ばれる立場へのキャリアパスもあり、これらはマーケティングの社内プレゼンス向上にもつながっています。

「プロセス」についてはマーケティングオペレーションを言語化したプレイブックを作り、イントラネットで公開しています。ヘーベルハウスからサランラップまでさまざまな事業がある中で、それぞれにカスタマイズしたプレイブックも必要なのですが、まずはひとつの「型」を提示し、そこから各事業に合わせてアップデートしていく形をとっています。

また「プラットフォーム」に関しては、マーケティング施策の効果が最終的なROIまでつながって見えなければ意味がありません。CMS、MA、CRMを、一気通貫で施策の効果が見られるように連携しています。また、旭化成全体のガバナンスやコンプライアンスも含めてひとつの基盤に集約することを目指して、それをマーケティングが推進していこうと準備しています。

徳田 素晴らしいですね。鈴木さんは「リードエキスパート」という肩書きがついていますが、「高度専門職」のマーケティング人材として働いているんでしょうか。

鈴木 そうですね。ただ、正式にこのような人事認定制度ができたのは、マーケティングのエキスパート人材の開発と育成の必要性が認識されたここ2~3年のことです。私としては今後数年でエキスパートを増強し、5万人企業のさまざまな組織で活躍してもらいながら、ボトムアップしていきたいと構想しています。

徳田 もう少し掘り下げたいですが、ぜひセッション後に伺わせてください。安井さんも聞かせていただけますか。
 

データ集約とツール統合


安井 まずはデータ活用と「プラットフォーム」に関して、LIXILはデータを1ヵ所に集めて分析しやすくするために、GoogleのBigQueryを活用し、データカタログをつくりました。可視化するツールもGoogleに統一しています。データとツールを統一しても使いこなせなければ意味がないので、教育チームが独自にマニュアルや動画をつくっています。さらに、これは「ピープル」にも関わりますが、教育プログラムをつくってスコアリングし、学習進捗と成果の記録が社内で残るようにしています。データ分析だけでなく、AIやプログラミングについても同様の教育プログラムをつくり、全社員にさまざまな場面で活躍してもらうようにしています。

徳田 組織連携やRevOpsにおいて、組織ごとにシステムやデータがバラバラだと、できる分析もできなくなりますが、そういう企業はまだ多いですね。

鈴木 データを集約して分析ツールを統一することによって、目に見える業務上の成果はあったのでしょうか。また、社内全体がスキルアップしてきたことで、企業文化の変化などはありましたか。



安井 そうですね。まず文化については、今まで「専門家に任せればいい」「ここは〇〇がやってくれるだろう」と考えがちだったのが、「教えるから自分でやってください」になったことで、自分から手を動かそうとする人がどんどん増えてきたのは、すごく良い変化だと感じています。自分でできることが増えると「じゃあ、データだけでなくアプリもつくってみようか」などと、視野が広がっていく良さもありますね。

また、事業成果に関しては、これまでさまざまな部署で別のデータを見ていたために、ローデータを使っているか加工データを見ているかなどで数字がずれていることがありました。それが、同じ数字を見るようになってディスカッションがしやすくなったのは、プラットフォーム統一のメリットのひとつだと思います。

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