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「AI・データ武装」のノバセルが「非効率」との融合で目指す広告価値の進化 徹底したペルソナ分析で指名検索獲得単価を96%削減
2026/07/02
一人ひとりの「ため息」が聞こえるまで。徹底したペルソナ分析
戦略立案からクリエイティブ制作、CM枠のバイイング、効果検証まで、広告戦略に関わる全てを内製化しているノバセルのマーケティング支援において、古屋氏が特に強調するのが、徹底したデータ分析に基づく精緻なターゲティングだ。
「特定の一人のため息。つまり、ユーザー自身も気づいていないインサイトが聞こえるまで、徹底的にペルソナを深掘りします」
たとえば関西電力グループ傘下のオプテージの事例では、格安スマホサービス市場が飽和し、サービスの多様化と低価格化が進むなかで、同社のMVNOサービス「mineo(マイネオ)」が再び選ばれるためのブランドコミュニケーション戦略の策定を、ノバセルが支援した。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)の調査では、プランの乗り換えやムダに対する消費者の意識ごとに市場を分解し、獲得すべきターゲットを特定。この際、8つに分類されたターゲット層のうち、通常であればマイネオと親和性の高い「サラリーマン層」など、2つ程度に絞り込んで議論を進めるのが定石だが、「ノバセルはそういったことはしません」と古屋氏。
マイネオが「勝てる」と見込まれる5つのターゲット層全てに訴求することを提案し、それぞれについて高精度のペルソナを設計、各ペルソナユーザーの「症状」に応じて最適なマイネオを「処方」するという趣向で、5種類ものクリエイティブを作成した。

驚くのは、年齢や居住地、家族構成といった属性以外にも、多様化するライフスタイルや価値観、それに対応したスマホの使い方や使用時の心情といったことまで、「特定の消費者」が具体的に思い浮かぶほどにペルソナを磨き上げていることだ。緻密なペルソナ設計に割かれた労力は成果に還元され、数値として現れる。
「商戦期の予算策定に向けてYouTubeとTVer、Abemaで検証配信したところ、地上波テレビCMに比べて『マイネオ』の指名検索獲得単価がYouTubeでは96%、TVer、Abemaでは62%削減できました。徹底検証したCEPを踏まえて、一人ひとりに最適な〝処方〟を出す形でアプローチしたことが、圧倒的な成果につながったと言えます」
ここからはノバセル得意の「効率化」を突き詰めた配信設計に落とし込めばいい。TVerであれば、独自ツールによって特定された「指名検索寄与度」の高い番組の視聴ユーザーにターゲットを絞り、精度の高い配信を実現。CPM高騰や「消費者の広告慣れ」に伴うCTR減少といった逆境のなか、消費者を「行動させる」、すなわちCVR向上に集中することで「勝ち」への道筋が開かれる。

「人を行動させること。そのために最も効果的なメッセージや接点を高い解像度で考え抜くことができるのは、AIにはない〝人の価値〟なのではないでしょうか」
そう語る古屋氏は締めくくりに、2025年7月にグループインした「FUSION」を紹介した。「日本で最もクリエイティブ力のあるデジタルエージェンシー」を標榜する同社は、属人的な創造性を強みとし、特にSNS動画領域において高い成果を生み出している。
「AI・データ武装をさらに徹底しつつ、非効率や属人性といった〝人間の力〟も掛け合わせ、認知から獲得まで統合的・総合的な価値提供を実践していきます」と古屋氏。運用型テレビCMによって広告の新たな時代を切り拓いたノバセルは、従来の「効率VS非効率」「マス広告VSデジタル広告」といった二項対立を超えて、AI時代の広告価値の〝進化〟に挑む姿を印象づけた。
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現在も赤坂のスタートアップ向けのコミュニティースナックで働いている古屋氏。「フットワーク軽く、多くの場所に出没してネットワーキングを広げるのが趣味」と自己紹介した。
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