マーケティングアジェンダ2026 #24

沖縄で実践した「足で稼ぐ」企画 ー ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026 体験記【シルバー受賞 電通デジタル・Droga5 Tokyoチーム】

 2026年6月、毎年恒例の若手クリエイター向け企画コンペティション「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ(YCA)2026」が沖縄で開催されました。日本最大級のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ」のプログラムのひとつとして、6月2日から4日の2泊3日で行われました。

参考:グランプリ受賞は伊藤忠インタラクティブチーム ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026結果発表

 激戦の末、見事受賞に至ったグランプリ1チーム・ゴールド2チーム・シルバー2チームの計5チームに、YCA2026の体験を振り返っていただきます。

 本記事の執筆者は、シルバーを受賞した電通デジタル コピーライターの髙橋 慧氏と、Droga5 Tokyo アートディレクター/デザイナーの竹節 駿也氏のペア。生の情報を「足で稼ぐ」企画スタイルや、審査員が思わず笑顔になった審査会でのプレゼンの演出など、他チームにない個性が光った2人が、今年のヤング・クリエイティブ・アジェンダを予選から本戦まで振り返ります。
 

電通デジタル・Droga5 Tokyoの会社混合チーム


 ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2026 シルバーの髙橋と竹節です。今後参加される方々に向けて、我々の汗と涙とビールな体験記をお届けします!

 私たちのチームの特徴は、所属する会社が異なる混合チームということです。

 コピーライター/プランナーの髙橋は、電通デジタルに所属しています。普段はコピーライティングを主軸としながら、デジタルCRの制作からOOH/イベント/AIクリエイティブなど幅広いクリエイティブ制作に従事しています。
 
髙橋 慧
電通デジタル アドバンストクリエイティブセンター コピーライター

2023年より電通デジタル所属。
受賞歴:YouTube Works Awardsファイナリスト|BOVA 審査員賞&協賛企業賞 | 宣伝会議賞 協賛企業賞 |朝日広告賞 ファイナリストなど。

 竹節は、Droga5 Tokyoでアートディレクターとして、広告を中心に事業におけるコーポレートブランディングやVIのデザインに携わりながら、ビジュアルアートを軸とした多岐に渡るアウトプットでクライアントを支援しています。
 
竹節 駿也 氏
Droga5 Tokyo Part of Accenture Song Art Director / Designer

広告電通賞金賞、販促コンペ協賛企業賞、朝日広告賞ファイナリスト、Good Design Award 2022、第10回Brain Online Video Award 審査員特別賞・協賛企業賞、JAA広告賞、メトロアドクリエイティブアワードプランニング部門ファイナリスト 他
 

ヤング・クリエイティブ・アジェンダに参加した理由


 私たちはもともと、グラフィック系のコンペによく一緒に挑戦をしていました。

 二人でグラフィックを考えている際に、アクティベーション向きのアイデアを思いつくことも多く、一度は企画系のコンペにも挑戦してみよう!と参加を決めました。

 私たちの特徴としては、いい意味で「越境」ができることだと思っています。

 コピーライターの髙橋がビジュアルを考えることもありますし、アートディレクターの竹節がコピーを持ってくることもあります。そういった越境をしながら、最終的にはそれぞれの職能を生かしてアウトプットをつくり上げていく。そんな関係性に相性の良さを感じていたため、ヤング・クリエイティブ・アジェンダにも挑戦してみようと思いました。

 今回から初めて、本選出場をかけた予選が設けられました。予選のお題は「味ぽんをつけ・かけ調味料の第一想起にするプロモーション」。

 まず、悩みました。ヤング・クリエイティブ・アジェンダは、マーケターの方々が審査員という珍しいコンペです。

「ただ面白いだけではダメ?やっぱり売れるロジックが大事なのだろうか…」
「いや、でもクリエイティブのコンペだし、アイデアフルな企画じゃないと…」
「でもA3ペライチ提出だし両立させるのキツくない…?」

などなど、堂々巡りな議論が続きました。

 そんな中、「はんぶんぽん」というキーワードがポロッと出現し、その瞬間「あ、これは企画になる!」と二人で膝ポンし、半分食べたら味ぽんで味変をする新しい喫食体験企画を仕上げました。

 冒頭に記載した「いい意味で越境できる」というポイントがブレイクスルーとなり、無事に予選を通過することができました。
提出した予選の企画書
 

本戦に向けて:最も念入りに準備したこと


 本選の課題を提供するクライアントがハイネケンということは、事前に発表されていました。

 準備できることはしていこうと、ハイネケンについてとにかくリサーチ。過去のカンヌライオンズ受賞作品も隅々まで目を通しました。

 とはいえ、お題はまだわかりません。第一想起を上げるお題かもしれませんし、ハイネケンを日本の居酒屋に置いてもらうための企画を求められるかもしれない。そんな中、我々が最も念入りに、力を入れ、準備したこと。それは…

 ハイネケンを飲んで飲んで飲みまくること!です。




 
(映っていないものも含めると、ざっと100本くらいは飲んだのではないでしょうか)

 商品理解は、何よりもまずすべきこと。二人で集まる日はもちろん、家の最寄りのコンビニでハイネケンを1日1缶買うなど、とにかくハイネケンがなぜこれほど世界的に愛されているビールなのか、身体的に理解することに努めました。
(そうです、私たちはビールが大好きです)

 とはいえ、ただ美味しいからと飲んでいたわけではありません。作戦もありました。それは「これだけ飲んできた」という事実をプレゼンで見せることです。

 プレゼン時間が3分間しかない中で、「これだけ飲んできた私たちだから考えついた企画がある!」と実際に飲んだ缶の数を見せることで説得力のある提案ができると考えていました。

 また、シンプルにプレゼンの掴みになるだろうとも思っていました。実際に本選のプレゼンでは、先ほどの写真を見せると審査会場が笑いに包まれ、いい空気の中でプレゼンをすることができました。

 また、ハイネケンを飲みまくった結果、ひとつのコアアイデアに辿り着くこともでき、そのアイデアが結果的に本選でも活きてくることになります。
 

DAY1:課題発表からの、ネットワーキングパーティー参加


 会場に着くと、ドキドキの課題発表です。

 お題は「HeinekenのOff-Tradeでの購入を促進するマーケティング施策の提案」。要はリテールとの連携を意識した、小売店でのハイネケンの売上を上げるための施策です。所感としてはかなり難しいという印象でした。

 ハイネケンを身近なスーパーや小売店で見かける機会は、日本では少ないと思います。その中で、課題は2つあると思いました。ひとつはハイネケンを小売店に置いてもらうこと。もうひとつは生活者にハイネケンを買ってもらうことです。

 Off-Tradeでの購入を促進するためには、この二つを解決しなければならない、そして、課題解決策を3分で説明しなければならない。初日から大きな壁に直面しました。

 そんな中まず私たちが起こしたアクションは…

【飲もう!!part2】

 難しいことを考えていても仕方がありません。普通はホテルに帰り、部屋で企画を考えるところですが、私たちは会場で実施されていたネットワーキングパーティーへ繰り出します。

 パーティーではマーケティングアジェンダに参加されているマーケターの方々が互いに交流を深めていました。


   
初日、メイン会場のプールサイドで行われたネットワーキングパーティー

 私たちがパーティーに繰り出した理由。それは、企画のヒントを得るためです。私たちは会場内にいるリテール企業の方々を探し、課題に対するヒントを質問しまくりました。

「そもそも小売店の棚の仕組みってどうなっているのでしょうか??」
「新しい商品を棚に置く際のハードルはありますか?」
「どんな施策であればハイネケンを置きたくなるでしょうか?」

 ヒントを得るために聞けることはすべて聞いておく。今回のお題がリテールと強く紐づいていたため、リテール企業の方々とお話しすることができ、とても良かったと思っています。

 結果的に、お話しいただいた内容が提案のメインストラテジーとなりました。快くお話ししていただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 今後ヤング・クリエイティブ・アジェンダに挑戦する方にも、初日のパーティーへの参加をおすすめします!課題にもよるとは思いますが、現場で働く方々の生の声を聞くことで解像度を上げることができますし、パーティーで出る食事もすこぶる美味しいです!

 ネットワーキングパーティーの後は、審査員の方々との飲み会もありました。日本のトップマーケターの方々と直接お話しできる貴重な機会でもありますし、同世代の参加者と交流もできます!何より楽しい時間を過ごすことができました。

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